第110話

「そこには元気に野原を駆け回るアムリタちゃんの姿が……」

 どこかで聞いたナレーションの様な事を口にしながら、マルと一緒にかけっこをするアムリタの姿に目元を濡らす母さん。


「隆。アムリタちゃんの治療を急ぐのよ!」

 くわっと眦を決し(まなじりをけっし:強い意志を込めて目を見開く様子)宣う(のたまう:おっしゃる)母上。

 そう形容せずにはいられないほどの強い圧力が込められていた。

「だから、先ずは体力を回復させないと腕の再生は出来ないの。それにアムリタの体調管理は母さんの領分でしょ。それとも俺がアムリタの食事を作る?」

 圧力に抗い、何とかそう言い返す。

「……そんな恐ろしい事、母さんの目の黒い内は家の台所でさせる訳にはいかないわっ!!」

「酷すぎる!」

「そうね、隆の料理のセンスは本当に酷いわ……」

 何かを思い出したかのように……多分俺の料理とは関係ない事だと思うが、良くない事を思い出したのだろう顔色が悪い。



『タカシ! アムちゃん凄い元気だよ。良かった!』

 駆け寄って来たマルが息を切らす程、此方の世界のアムリタの体力は現実世界の身体とは隔絶している。

『マルちゃん速いよ!』

 追いついたアムリタが体当たりと言って良い勢いでマルに抱き着き、一人と一匹が草むらの上を転がる。


 マルちゃんアムちゃんと呼び合い、すっかり仲良くなった様子に俺もほっとする。

 だがマル。今のアムリタに上から抱きしめられお腹を見せて寝転び尻尾を振る姿は……まあ、言わないでおこう。


『マル。仲良くなれて良かったな』

 兄貴がしゃがみ込んでマルの頸から胸にかけて撫でる。

『うん! 仲良くなれたマサルありがとうね』

 マルも嬉しそうに自分を撫でる兄貴の手を舐める。


『おはようアムリタ』

『おはようマサル!』

 気持ち悪いくらいに嬉しそうな笑顔で挨拶する兄貴に、アムリタは天使の笑顔で応えた。何という不均衡。



『今日は何するの?』

 マルはアムリタを背中に乗せて興奮した様子で俺の周りをぐるぐる回りながら聞いてくる。

『マルとアムリタは、兄貴の魔法講座を楽しんでください』

『講座って何?』

 目を輝かせて尋ねるマル。その無邪気さに笑顔で『勉強だよ。勉強』と告げる。

『勉強嫌ぁぁぁっ!』

『嫌じゃない。いい加減、魔法を憶えるんだ。良いかこれはアムリタとの競争だからな、そして今日一日しっかり頑張ってより魔法を身に着けた方がお姉ちゃんだ!』

『しっかり勉強したらアムリタがお姉ちゃんなの? じゃあ頑張る!』

 いや、あのねお姉ちゃん云々はマルが勝手に言ってるだけで、長幼の順で言えば君がお姉ちゃんなんだよ。

『だ、駄目。それ無し! マルがアムのお姉ちゃん。それが世界の理』

 だが俺はマルを一切相手にする気はない。何故なら既にアムリタがその気になっているのだから。


『アムリタは魔法を使える様になり違ってたもんな。兄貴からしっかり教わるんだよ』

『うん! 魔法教えてね兄貴!』

 声一杯にそう告げるとアムリタは兄貴に抱き着いた。


「何なの? 確かにアムリタに抱き着かれて嬉しいけど、これは違う。俺は兄貴じゃなくお兄ちゃんと呼ば──」

「しっかり頼んだよ兄貴!」

 俺はそう言って兄貴の肩を強い力で押さえつけ握りしめる。

「た、隆、お前は……」

 自分の小さな、ささやかな夢を摘み取られた兄貴は唖然として俺を見つめる。

「仕方ないだろう。もうアムリタの俺の呼び方はタカシになってしまったのだから……兄貴だけをお兄ちゃんと呼ばせる訳にはいかないだろ?」

「……いかないだろ? じゃないだろ!」

「昔、二人で誓っただろう? いつかお兄ちゃんと呼ばれる様に頑張ろうって」

「お前、まさか……』

「その通り。俺が駄目なのに兄貴がお兄ちゃんと呼ばれるなんて許さない」

「うわっ、最低だこいつ!」

「気付いたらタカシ固定になっていた時の俺の絶望。まさに最低な気分なんだよ!」

「俺を巻き込むな! そして何よりも諦めるな。まだ望みはある」

「そんな風に思っていた時が俺にもありました……」

「目が死んでる!?」

「当たり前だ。まだ望みがあるというなら涼にお兄ちゃんと呼ばれて見せろ! 俺に人類の可能性を見せてみせろ!」

「……無理。ごめん」

「諦めるのはえぇよ!」


「あれで兄弟仲が良いんだから不思議だよ」

「大と隆は似た者同士で、同族嫌悪しないタイプでしかもメンタルが丈夫だからね」

「それに、涼の事では兄弟でしっかり協力体制が出来てたのもあるかね」

「結果は木っ端みじんだったけど……ふふっふ」


「ふふっふじゃねえよ!」

 兄貴とぴったり息を揃えて叫んでしまった。このシンクロが……気持ち悪い。「何で傷を抉るの? 楽しいの?」

 そうだ兄貴もっと言ってやれ。

「大体、父さんと母さんがきちんと手を打たないから涼がああなってしまったんだよ」

 いや兄貴それは言い過ぎだ。特に母さんに触れるな。文句を言うなら父さんにだけ言え。

「あら、お母さんが悪かったのかしら?」

 俺は兄貴に背を向けると、マルとアムリタを抱きかかえると、そっとその場を立ち去った。

 背後で兄貴が俺の名を呼ぶ声が聞こえたような気がした。そして気がしただけだったと自分に言い聞かせた。



『勝てない相手に戦いを挑む兄貴は駄目だと思う』

『マサルは馬鹿。お母さんを怒らせるのは駄目』

 俺の言葉にマルが凄い勢いで頭を縦に振りながら、以前にも聞いた事のある言葉を口にした。

『兄貴馬鹿なの?』

『ある意味、勇者だよ』

『勇気があるの?』

『勇気はあるかもしれないが、それは蛮勇だよ』

『それ知ってるリンゴが地面に落ちるやつだ』

 胸を張り頭を高く上げてドヤ顔をしている馬鹿な犬っころに、万有引力と蛮勇の違いをどう説明したらものかと頭を悩ませていると『兄貴が勇気があってリンゴが地面に落ちる?』とアムリタが俺以上に頭を悩ませていた。


『アムリタ。リンゴは関係ないんだよ』

『えっ?!』

 マルが驚く。

『……何で?』

 不思議そうに首を傾げるアムリタに『マルは知ったかぶりをしただけだから気にしないで良いよ』

『そうなの?』

『うん、マルの言ってる事が分からない場合は、大抵間違いっだから、肯いて頭を撫でて上げれば良いよ……痛いから』

 マルが俺の手に噛み付いていた。拗ねたような目で俺を睨んでいるが、もう片方の手で撫でるとすぐに目を細めて尻尾を振り始める。

『ほら、簡単だろ?』

『うん、簡単』

 アムリタも手を伸ばして撫で始めると、わずか十秒後にはお腹を上にしてハアハアと息を切らせながら『犬であるこの身が憎いの~』と嘆いていた。

 どうして変な言葉や言い回しばかりを憶えてしまうのだろう?




 兄貴にマルとアムリタの「青空魔法教室」を任せると俺と両親は湖のある南の国境へと向かう。


 宇宙空間を経由しなくてもに十分足らずで目的地にたどり着く。



 湖の北の岸辺。帝国軍が桟橋を作り駐屯地にしていた場所に、少数の部隊が天幕を張り野営しているようだ。

 もしかしたらと思ったが、やはり二号が率いている部隊の様で、マップ上にはカリルの名前が記されたシンボルがあった。

 一瞬、カリル? と思ったなんて事は無い。


「隆。あれは?」

「あれは侵攻して来た帝国軍じゃなく王国軍の方で、知り合いのいる部隊だね」

「此方側に、ちゃんと知り合いがいるんだな」

「そりゃあいるよ。定住してない根無し草だから、そんなに多くはいないけどね」

「じゃあ、その知り合いとやらに会いに行くかい?」

「……余り家族に紹介したい相手じゃない」

 多分、父さん達を巻き込もうとするだろう。


「何か問題があるのかい?」

「あるよ。主に向こうに問題が」

「……なるほど。確かにあの場所に野営するとか色々と問題がありそうだ」

 父さんの言う通り、前日に数千人の敵の軍勢が消えた場所。

 最低でも偵察に三桁の部隊がいつ送り込まれてきても不思議ではないのに、よりにもよって侵攻における上陸ポイントで一泊する意味が分からない。


 これでも学校では軍事訓練も受けていたというのだから……この国は亡ぶ運命にあるのかもしれない。

 だが、まだ亡んでいないという事は周辺諸国も同じレベル?

 いや、殺し合い以上に人間が一番必死になる状況なんてない。

 そんな状況の中で当たり前の事が出来てないなんて、それほど人間は愚かじゃないだろ。

 だとするならば、戦場の外にいる人間が馬鹿ばかり……なんて嫌な想像だろう。


 これは封建制の問題だろうか?

 確かに一部の支配階級が叡智を独占し、多くの国民が愚かである事が大前提である政治制度ではあるが、だからこそ支配階級の子弟を教育する学校の方針に、重大な問題があるなんて馬鹿な事は事はありえない……と思う。


 そもそも、全ての国民が教育を受けて賢くある事を大前提とする政治体制は民主主義だけだろう。

 そして民主主義を正しく扱うレベルには、どの国の国民も達していないというのが悲しい現実。

 故に現実における民主主義国家は程度の差こそあれ時間と共に衆愚政治への道を突き進む。

 一方で民衆の知的水準が向上すれば、民主主義は理想的な共産主義に等しくなると言うが、全員が同じ幸せそうな顔で過ごす社会が想像出来て気持ち悪い。

 全てが平等に評価され受け入れられる必要などないが、社会には法的にも道徳的にも主教的にも受け入れられない存在さえも含めた多様性が必要だと考える。



 ……まあ理想的な社会制度なんてモノを考えるほど愚かな行為は無いと思う。

 幾ら考えても、そんな社会に人間自体が不釣り合いなのだから意味が無い。もしも理想的社会に人間が適合出来るほど素晴らしい存在に進化したならば、彼らが生きる社会はどんな制度であろうが関係なく理想郷になるはずだ。

 そして、俺が俺である限り理想郷などでは暮らしたいとは思わないだろう。


 完全に話が逸れた。

 ……そうそう、昨日の段階でもっと大きな部隊が国境へと移動していたよな?

 つまり、二号は囮と言うか生贄というべきか、確かにワイバーンに乗った竜騎士的な何かが周辺上空を飛び回っている。

 折角のレベルアップによる恩恵も、軍での栄達の足掛かりに出来なかった訳だから、もう夢を諦める段階に来てると判断して、軍などに入らずに新しい人生を選択すれば良いものを馬鹿な奴だ……褒め言葉じゃなく馬鹿だ。



 俺はそのまま野営地の上空を更に南へと向かって移動する。スルー以外に選択肢が無い。

「良かったのか?」

「まあ、良いんじゃないかな? 流石に帝国軍の奇襲を受けて全滅したら寝覚めが悪いが、幸いな事に帝国軍はまだ動いていない様だし。それにあいつはあいつで、それが任務みたいだしね」

 前日に湖を全てではないが、網の目状にマッピングしてあるので湖上を進む船があれば察知出来る。


「軍船を見つけたらいつでも沈められる様に岩も用意して来たのに」

 母さんが物騒な事を口にする。そして父さんが黙って肯いている。

 しかし、既に何隻も沈めた俺は文句を言える立場ではなかった。

「船にはアムリタみたいに無理やり乗せられてる人もいるかもしれないからいきなり沈めるのはやめよう」

 そう忠告するのが精一杯だった。


『あれは落としても良いよね』

 散開しての飛行中に、父さんからの【伝心】が入る。

 父さんの視界の映像も同時に送られてきたので確認するとワイバーンに帝国兵の姿の二人が騎乗していた。

『一応、マップ検索をして帝国兵と確認してからなら落として良いと思うよ。それとも捕虜にして聞きたい事でもあるの?』

『一兵士が知っている情報なんてたかが知れているし。どうせなら偉いさんを捕まえてごう……尋問した方が良い』

『別に言い直さなくても良いよ。此方の世界で国際法が通用する訳じゃない。所詮法の及ぶ範囲の基準は人間自体ではなく人間が住む地域だし、それに人が一番素直になるのは何より自分が可愛いと理解出来た時だよ』

 最後の言葉は大島の数少ない名言の一つだ。

『息子が完全にやさぐれてしまっている』

『みんな大島が悪いんだよ……』

 父さんからはそれだけじゃないだろうという空気が伝わって来るが、俺は無視した。


 マップ上で確認されたワイバーンを次々と落としていく。特に騎乗している兵士の命は助けない。

 助けても後々島流しなので、そのまま落ちて死ぬのとどちらが良いかは俺には判断が出来ないし、むしろ万に一つの確率で生き残る可能性があるなら、落ちた方が良いかもしれないからだ。

 特に罪悪感を感じないのははやり、レベルアップによる精神関連のパラメーターの変化の影響でタフになっているからだろう。



『バリスタか男のロマンだね』

 斥候として放たれていたワイバーン部隊が、ことごとく帰還しない異常事態に気付いたためだろう。

 湖の南岸に築かれていた拠点に駐屯していた帝国軍は警戒体制へと移行し、慌ただしく動き始めており、父さんが口にしたバリスタも十数台が台車に乗せられロバに曳かれて岸辺へと移動中だった。


『バリスタが見たければ博物館にでも行けばいいじゃないか?』

 正直、異世界の象徴的な生き物の一つであるワイバーンをあっさりと斬り落しておいて、バリスタに感慨深そうにする父さんの気持ちは分からなかった。

『えっバリスタの魅力が分からないの?』

『そんな驚かれても、こっちの方が驚きだよ』

『良いか隆。バリスタは矢ではなく槍を飛ばす……以上』

『だから?』

『バリスタは荷台に乗せて運用する場合の数え方は台だが、城等の拠点防衛で固定して使う場合は基と数える……以上』

『だから?』

 こんなやり取りをしていると、しびれを切らせた母さんが上空から岩を落として移動中のバリスタが全て破壊された。


『ああっ!』

『ああっ! じゃねえよ』

『僕のバリスタが!』

『おめえのじゃねえよ! どんだけバリスタ好きなんだよ?』

『コレクションのレスラーのマスクの次くらいに』

『そ、そうなんだ……そ、そうだ! 今なら壊れたバリスタ回収し放だぃ──』

 トンだ藪蛇に話を逸らそうとしたが、俺が言い終わる前に父さんの姿が消えた……めでたしめでたし。


『母さん。俺達も行こうか?』

『そうね』


 俺が狙いを付けたのは食料などの物資を保管している蔵だ。

 元々、国境の重要拠点としてかなり以前から軍を駐屯させていたのだろう。大きく堅牢かつ歴史を感じさせる石造りの蔵だった。

 それに対して王国側にはこれと言って駐屯地的なものが痕跡すらなかったので、やはり王国は早晩亡ぶと思う。


 天井を突き破り内部に突入するとシステムメニューを開いて手当たり次第に物資を収納していく。

 半径十メートル以内のすべてを州のし終えた俺は、移動しながら四隅も逃さず全てを収納すると、一番力の集中する中央に並ぶ柱を蹴り崩すと、崩落が始まる前に屋根に開けた穴から脱出するまでの時間は三分足らず。

「まだ蔵は五つ残っているから、ペースアップしないと」

 そう言って、破壊と略奪に精を出すのであった。


 一方母さんは【迷彩】で姿を隠しながら、上級将校(偉そうにしている奴)を中心に【昏倒】で眠らせてから収納していき、おかげで駐屯している軍の指揮系統は崩壊した。

 指揮を執る者が居なくなった事以上に、大勢の目の前で指揮官がいきなり倒れ、直後に消えるというホラーな現象が、残された指揮権を受け継ぐべき者達の正気を奪い去り恐慌へと叩き込んだ事が致命的であったのは間違いない。

 自分がその立場にあったならと思うと、ぞっとするほどえげつないやり方だ。



『ところでこの状況をどうするつもりなんだ隆?』

 父さんは、バリスタを回収し終えて、ついでに軍船も悉く沈め終えている。


『全員捕まえて収納してもいいけど、その後どうするかのプランは一切ないから父さんが考えてくれる?』

 今回は一万人を超える軍勢だから、前回の分とまとめて置き去りにして、その後生存出来る規模の無人島なんて見つかるものだろうか?

『考えようにも、このリートヌルブ帝国という国に関して全く情報が無いから無理だよ』

『自慢じゃないけどこっちにもほとんどないよ』

 そもそも昨日までは「何時か行くかもしれない国」という認識だったのだから特に調べてもおらず、ミーアや二号との会話の中で出た程度の情報しか知らない。


『取りあえず、今回の事で帝国は十分痛い目に遭ったと思うよ。流石に俺もアムリタの件でこの国を滅亡させてまで責任をとらせようとは思わないし。何なら皇帝や皇族貴族、政治的責任を負う立場の人間を丸ごと拉致して島流しにでもする? まだ良さそうな島を探してもいないけど』

『それをやってしまうと内乱発生からの他国の介入を招いて大混乱で国民達が重大な被害を被るのはねぇ』

『確かに民主制でもない封建制下の国民全体にまで責任を突きつけるのもどうかと思う』


 民主主義とは為政者の政治的判断の全ての結果に国民が責任を負う。

 選挙権を持つ者は、自ら立候補するしない。誰に投票する。投票すらしない。この選択の全てが「選挙に参加」して自分の意思を示した事になる。

 そして選挙権を持つ者全ての意思によって決められたのが立候補者の当落という結果であり、選ばれた政治家が為した結果には選挙にて己の意思を示した者達が責任を負う。

 これが民主主義の大前提だろう。

 つまり「選挙で○○に投票した奴が責任を取れ」と言う奴は民主主義国家の国民として相応しい最低限の資質を満たしていないのだ。

 多くの国民がこの大前提を理解しないが故の緩やかな政治への無責任こそが衆愚政治への第一歩だと思う。


 一方で封建主義は国民に主権を与えない。主権を持たない国民は為政者の政治的判断に対して当然責任を負う事は出来ないのだ。


『その割に軍人には容赦しないな』

『直接現場で積極的、非積極的関わらず加担してるのは確かだから容赦する気はないよ』

 軍人も上官の命令には逆らえないので、仕方なく命令に従った一兵卒にとっては不条理な話かもしれないが、彼等の襲撃された町や村の住人達も彼らのもたらした不条理によって最後を迎えたのだから、自分達に訪れた不条理も運命だと甘んじて貰いたい。

 勿論、嫌なら抗えば良い。しかし抗ってどうにもならない局面を不条理と言う……大島とか。


 こう言えば「人に人を裁く権利があるのか?」と戯言を口にする者も多いだろう。

 ならば俺は「そんな当たり前の事を、賢し気に振りかざすな馬鹿め。そんな権利がある筈は無い」と答えるだろう。


 神ではない人間に、そんな権利がある訳が無い。だが同様に神ならぬ身ゆえに人には人を許す権利も無い。

 例え、それが被害を受けた本人だとしても、そんな権利は持ち得ない。

 裁かれなかった罪人が、取り返しのつかない罪を再び犯した時に許した者に責任がとれるのか?


 自分が痛い目に遭わない限り、幾らでも綺麗事を口に出来る者なら「再び罪を犯すとは限らない」と得意気に言うだろう。

 確かに再び罪を犯す犯さないの可能性は天秤の両端にぶら下がっているだろう。

 そして再犯率の高さなどを考慮せず、二つの可能性が吊り合うと仮定しよう。

 さて、その時に罪という名の錘は天秤の何処にぶら下がるのだろう? 綺麗事を口にする者の頭の中にはそれが入っていない。


 ……まあ、そんな屁理屈など関係なく俺は、俺の判断で裁く。

 何事にも法の外側が存在し、そして法が裁けないなら俺が裁いても良いだろう。

 アムリタという俺にとって大事な存在を害した相手を法が裁けないなら、俺が法の外側で裁いても法は俺を罰する事は出来ないので問題無しという完全なアウトロー理論であり、未成年ゆえの暴挙である。


 これが選挙権がある大人ならば、法律に問題があるなら法律を変える責任を持つのだが、選挙権を持たない子供である。

 法で裁けないのは社会が悪い。そして子供なので社会に責任を持つ立場ではない。自力救済どんと来いだ!!

 ……こんな糞餓鬼が悪魔の様な強い力を持ってるんだぜ?


 ましてはここは異世界。

 先ずは殴り合いから外交という戦争が始まり、殴り合って勝った国の都合が通る世界だ。

 力ある者が己の正義を推して通すのが筋であるならば、俺も己の正義を貫き、その間違った正義を挫こう!



 散り散りになって逃げだした兵士達は追わない。

 兵士数は前回の数倍の規模なので追っても大半は逃がしてしまうだろし、始末に困る。


 敗残兵達は、見通しの利く平原を避けて西側に広がる森林地帯へと入り込み、そこで足を止めて後続の逃げ込んでくる味方の集団を吸収していく。

 ある程度、集団が大きくなったら一網打尽にしようと思いつつも、捕まえてどうするかの考えがまとまっていなかった。


 流石に、まだ他国に攻め込んでもおらず、非戦闘員の虐殺も起こしていない兵士を島流しは酷いという判断もある。

 また、他国に攻め込んでの略奪と虐殺は帝国軍として当然の行為だとするならば、帝都の城の上空三千メートルからばら兵士を撒いて、城を血塗れの瓦礫の山にしてやるのもありかとも思う俺もいる。

 だが、それはどちらも俺の正義ではない……

 そもそも正義ってそれほど大事だろうか? 単に俺が、自分らしくない事をやっている現状を正義と言う言葉で誤魔化している気がしないでもない。


 自分の目の届かぬ場所の現実には興味は無く、そして自分の目の届く範囲は今よりもずっと狭かった。

 システムメニューを得て、目の届く範囲が一気に広がり、見たくも無い現実を沢山見る事になり、俺は変わって行った。

 見たくも無いものを見る度に、悪しきモノ、愚かなモノ、卑しいモノを見たくないという想いが募り、それらを排除したいという欲求がどこまでも強くなっていく。

 そして排除出来る力が今の俺にはある……世界終わったな。世界を変え得るほどの力の感情で動く個人に背負わせたら駄目なんだよ。


 レベルアップ時の精神パラメーター成長のデフォルト設定のせいもあるのだろう。

 俺自身の資質。レベルアップの精神パラメーターの成長。そして大島の影響。それがこんな俺を作り出したのだ。

 これが世界の意思だというのならば……俺は悪くねえっ!



 そんな思春期ゆえのビョーキに悩まされていると、南方から高速で北上移動する集団がマップに映し出される。

『騎馬か……数が多いな。援軍か?』

 マップの表示範囲外から次から次へと数は増えていき、すぐに千の大台を超えた。

『撤収だな』

 父さんの言葉に俺は肯いた。

 森の中に逃げ込み再編成中の連中は既に一万を超えている。ここに更に数千の騎馬隊が加わるとなると……早く戻ってアムリタを愛でたい気分になる。

『既に物資は全て奪ったし、騎馬隊は十分な食料も持ってないだろうから侵攻作戦は無理だしね』

『それに折角揃えた軍船も湖の北岸と南岸で全滅だ。アムリタもいない事だから大型船を運んでくることも、もう出来ないだろう』

 既に帰る気満々の父さんと俺に母さんが『援軍じゃないみたいよ。面白くなりそうだし見ていきましょう』と言い出した。


 【迷彩】で姿を消したまま上空へと移動して、状況を俯瞰する。

「確かに援軍じゃないね」

 騎馬隊は森の中の仲間に合流しよう移動する帝国軍に襲い掛かった。

 既に軍としての機能を失い助かりたい一身で味方に合流しようと走るだけの敗残兵の群れは、鎧袖一触。文字通り蹴散らされていく。


「どちらも帝国軍だ」

 確かにマップ上のシンボルにはどちらも細かい配属先はともかく帝国軍と記されていた。

「同士打ち、内乱かな?」

「そうね。国軍同士の衝突なのだから間違いないわね」

 帝国の貴族の軍同士の衝突ではなく、紛れも無く帝国軍同士の衝突となれば、答えはそれ以外の可能性は無いだろう。

 これまた状況がややこしくなってきた。現実世界が大島のやらかした事で頭が痛いというのに……もうこうなったら皇帝を拉致して、真っ裸で恥ずかし固め状態に縛り上げ帝都の何処かに吊るして、皇帝の権威と求心力を崩壊させる?

 駄目だ、爺さんかおっさんか知らんがそんなの裸にひん剥くのは気持ち悪いし、そもそも反乱勢力側を一方的に助ける事になる。

 今回の件が、どちらの勢力がやらかした事かもわからないまま、そんな真似は出来ない。

 本当に面倒臭い。そもそも帝国の周辺にどんな国家があり、近隣諸国との関係も分からないから、大島がやった様に国自体を混乱に陥れると戦争が起きる可能性もあるのでやり過ぎる事も出来ない。



 騎馬隊の数は二千五百程で、森に逃げ込んだ敗残兵達の四分の一以下の数だが士気が違う。

 例えるならば一頭の羊に率いられた羊の群れに、一頭の獅子が率いる獅子の群れが襲い掛かるという、この手の言い回しには必須条件のリーダーの入れ替えの無いごく普通のガチンコ勝負だった。

 結果は当然、漂う悲壮感に思わず涙しそうなるほどだが、、そもそも負けている側を率いるはずの指揮官を根こそぎ収納したのは、隣で楽しそうに観戦する俺の母親だった。



 騎馬隊は馬を降りると、そのまま抜刀し森の中に突撃を行い、完全に烏合の衆と化した一万の軍勢を森の奥へと壊走させてしまう。

 しかしそれが不味かったんだろう。

 森の奥から魔物の類が大量に向かってくる。

 万を超える人数で森深く入り込み戦い、そして大量の血を流したのだから当然の事だった。


 コボルトやゴブリンに始まり、オーク、そしてオーガが森に入り込んだ愚か者を分け隔てなく襲い始める。

 これには騎馬隊の士気も瞬く間に萎み、風船から空気の漏れる様な音が聞こえる気がしたほどだった。

 それでも、騎馬隊の指揮系統は維持されており、混乱を起こす事無く整然と撤退を始める。

 それを助けたのは一万を超える人の壁達だった。混乱し右往左往しながら殺されていく事で、ゴブリン達亜人種の足を止めて彼等を逃す手助けをしたのだった……勿論、本人達にそんな心算は全くないだろうが。


『沢山の餌を得て魔物達が増える。そうなれば帝国軍も魔物達を駆除しなければ国境付近には展開出来なくなるから、しばらく戦争はお預けね』

『色々と想像しちゃう様な事は言わないで欲しい』

 俺の言葉に父さんが何度も肯いている。

「隆。想像の翼を広げる事を止めては駄目なのよ』

『どんな翼だよ!』

 俺の突っ込みに母さんは、ホラー映画の登場人物の様なとても含みのある笑顔で『さあ?』と答えた。

 明らかに明確なイメージを持ってるね。しかも名状しがたき、おぞましいイメージを。



「撤退する!」

 騎馬隊の指揮官らしき男が叫ぶ。

 逃げる事を飾らないのは立派だと思うが、引き際が鮮やか過ぎて、こうなる事が分かっていて森の奥まで追い立てたのではないかと疑う。

 有能そうだが友達にはしたくないタイプだ。まあ、そういうタイプなら向こうの方からお断りが来るだろう。


 二千五百程の騎馬隊は、一切の遅滞も無く五本の二列縦隊を作ると、整然と南へと去って行く。


『でも無事に撤退とは行かない様ね』

 母さんの言葉の通り、マップ上にグリフォンを示すシンボルが多数出現していた。


 上空から砲弾の様に騎馬隊の上を遊弋するワイバーン隊を直撃する。

 一撃必殺。ワイバーンの翼が千切れ飛び、胴体から上下二つに分かれた騎兵が声も無く堕ちて行く。

 直後、空中を蹴って跳躍するが如く、ワイバーンを下から上へと切り裂いた。


「あれが強いのか飛龍が弱いのか……」

 合流した父さんがそう語りかけて来た。

「グリフォンが強いんだよ。圧倒的にね」

「グリフォン……あれがグリフォンなのか」

「風の精霊の加護を持つ空の化け物だよ……まあ、今の父さん達なら楽勝だけど」

 今の父さんよりずっとレベルの低く、浮遊/飛行魔法も使えなかった俺が勝てたのだから、それほど苦労する事も無く勝つだろう。


「化け物相手に楽勝か……」

「諦めて。とっくに人間やめてるんだから」

「そうか父さん人間やめちゃったか……辞表を出した覚えも無いのに……人間をやめる時の辞表ってどう出すんだろう? やっぱり灯篭と一緒に川に流すのかな?」

 突っ込みは入れないけど、気持ちは分かる。しかし空を自在に飛び回れる段階で、そんな人間はいねえと気づいてい欲しかった。



 グリフォン達はワイバーンを全滅させた後も攻撃の手は緩める事無く騎馬隊本体を襲い始める。

『どうしてあんなに凶暴なんだろう』

 最初に見た時もワイバーンの群れを全滅させていた。単に捕食目的なら全滅させるほど狩るのは多すぎるし、継続的な狩りを続ける上ではデメリットしかない。

 グリフォンという種が存続してきたのは、そういう幾つもの正しい選択をした結果のはずだ。

 ……そもそも生態系からしてこの異世界は異常であり異様なので自分の推測に全く自身が持てないけど。


 森に逃げ込んだ敗残兵達の末路がそうであったように、騎馬隊も数十匹のグリフォンの群れの前に壊乱状態に陥っていた。

「助けて恩を売って情報を得るのもありだと思うぞ」

 確かに内乱状態なら詳しい状況が知っておいた方が良いだろう。

「問題は、その恩を受け入れる器量が連中にあるかだよね」

「別に連中が恩知らずかどうかは関係ないよ。彼等が協力的ならば手間が省けて、敵対するならば以後敵と認識することが出来る。そうやって状況を一つ一つ状況を整理していけば良いんだよ」

 社会人として正しい事を言っている様で、一般社会とはかけ離れた事を言っている。



「それじゃあ、介入しますか」

 そうお気楽に答えた。確かに見殺しにするより、ましてや殺すよりは遥かに気が楽なの確かだ。

「史緒さんはここで待機していてくれるかい?」

「分かったわ」

 対人戦ならいざ知らず……そもそも母さんが対人戦が出来るとは思ってもいなかったが、とにかくグリフォン相手は無理だろう……多分。そうだと嬉しい。


「行くぞ、隆」

 そう言って父さんは走り出す。

 彼等の犠牲を減らす為とはいえど、こちらの能力は身体能力以外は見せてやるつもりだと察し、俺も走り出す。

 速度を上げるほど正面から強く襲い掛かる風。俺は真っ直ぐに横に両腕を伸ばしてその流れに突き刺し、そして空気を掴む。

 激しい減速と両腕に加わる負荷。だが同時に得られるのは安定感。

 今まで以上に強く地面を蹴って加速しても、体勢は崩れず更に地面を強く蹴る事が出来る。

 傍から見たら、大きなメガネをかけた女の子型のロボットが「キーン」と叫びながら走る姿を連想するだろう。

 正直恥ずかしいが、これが誰よりも前に進もうとするパイオニアの苦悩だ……等と自己欺瞞してみても恥ずかしいものは恥ずかしい!

 しかし、速度は時速は百キロメートルを越えているだろう。そして更に加速を続けて父さんを置き去りにして前に出る。

 地面に水平にしてあった掌の向きを内に捻りダウンフォースを得ているが、流石にこの辺が限界。

 風速百五十メートル以上の暴風を正面から受けているようなものであり、今の方法ではこれが限界……


 そう思った直後、何かが俺の右側を追い抜いていく。

『父さん!?』

 俺が見たのは、風防魔法のみを展開し、少ない空気抵抗と抜群の安定性で加速を続け俺をぶっちぎって行く父さんの姿。


『隆……ア○レちゃんはないわ』

 そう言った後、鼻で笑った父さんの前方に足場岩を【射出】する。

 長径十メートル楕円形のクレーターの誕生と引き換えに発生した爆風が父さんを上空へと巻き上げる。

『まさかの家庭内暴力ぅぅぅっ!』

 縦回転しながら宙を舞う父さんに『俺と兄貴はとっくに涼の家庭内暴力の被害者だ』と答える。

 大体、息子に追い抜かれたから魔法を使って抜き返すとか、それだったら最初から浮遊/飛行魔法で行けよ。


 浮遊/飛行魔法による姿勢制御もままならぬまま、縦回転で地面に叩きつけられ転がっていく父さんを尻目に、騎馬隊の最後尾に追いつくと、そのまま彼等を足場にして跳びながら一直線に一頭のグリフォン目指して進む。

 第一目標は、取りあえずこの群れのボスなら良いな程度の目についた一番大きな個体だ。


 騎兵と騎馬をまとめて口に咥えたまま、こちらに視線向ける。

 ……あれ、グリフォンってこんなにデカかった?

 他のグリフォンに目を向ける……うん、普通サイズ。

 周辺マップのシンボルを確認すると『グレーターグリフォン』とある。要するにでっかいグリフォン。見たまんまであるった。

 要するにグリフォンにはゴブリンの様にキングだなんだと言えるほどの高度な社会性が無いのだろう。

 そこまで考えて少しホッとする。

 これがハイグリフォンとか言われると、多分上位種で何らかの特殊能力を持っている可能性があるだろうが、単にでっかいグリフォンなら身体能力が高い程度だろうと判断出来たからだ。


 それを踏まえて、俺は最短距離を一直線に駆けて行く。

 既に魔術の間合いで、上へと跳んで逃げられない様に【巨水塊】の中に閉じ込めてやる事も出来るが、今回は身体能力の実の勝負である。


 グレーターグリフォンが、風の精霊の加護である空気を蹴る特殊能力を使おうとした瞬間、以前絡んできたチンピラから巻き上げたスローイングナイフを脚目がけて投げつける。


 空中で腕だけの力で投げた割には時速三百キロメートルを超える速度で飛んだスローイングナイフは的を外す事無く、正確に足首の関節を捉え『ドゴッ!』と鈍い音を立てる……また刃ではなくグリップエンドが的を捉えたのだ。


 狙い通りだから。皮膚の下がすぐ骨である関節部分に刃が当たっても弾かれので、グリップエンドの方がダメージが大きいと判断しただけなんだ……


「べ、別にどうせグリップエンドが当たるだろうから、関節を狙ったなんて事は無いんだから!」

 そう叫びながら、上空へと跳ぶ機会を失ったグレーターグリフォンの喉元へと左の貫手を突き入れる。

 その瞬間、奴と俺の視線が交差する。致命傷を負いながらもその目が悲しそうに『そんなの知らんがな』と言っているような気がした。


 ボスであるグレーターグリフォンを討たれた群れは戦意を失い。俺と視線が交差すると「きゅるるるるぅぅぅ~!」と妙に可愛い鳴き声を上げると我先にと逃げる様に去って行った。


 そして未だに『そんなの知らんがな』という視線を向けて来る騎馬隊の兵達に囲まれて、俺は如何したらいいのか分からなかった。



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ゴールデンウィーク ダムカードへの道…………失敗!


まあ、一番悪かったのはロードレーサー(今時はロードバイクと呼ぶが、おっさんは頑なである)に絡んでしまった事だった

抜かれた後、ペースメーカーにしようと追走するも千切られてしまい脚を使い果たす


その後、せめて当別のかばと製麺でうどんを食べようと頑張るも

ふと見かけた川沿いの土手ルートが走り易そうで思わず入り込むが、左側を川、右手を畑の一本道で3km近く走って突如の砂利道になり、しかも確認するとかなり尖った砂利なのでパンクの心配があり戻るが、6kmも無駄に走った事に心が折られ

うどんまで残り5kmほどを残し引き返す


どうやら現在のおっさんの脚では走行距離は40kmが限界のようで両足の膝が悲鳴を上げて家に帰りつく頃には

痛みに喘ぎながら走るも、おばちゃんの乗ったママチャリにも抜かれる始末

引き返す判断をした自分を褒めた(その状態で+10km以上走った自分を更に褒めたい)

もしもうどんを食っていたら、自宅の10km手前の公園のベンチでシクシクと泣いていたところを不審者として通報されていただろう


その後は、小説が書けなくなる度に、気晴らしを兼ねて深夜に自転車で走り出すも30㎞程走ると膝に違和感が出て、次第に痛みや脱力で使い物にならなくなるのを繰り返す

左脚膝から下にかけての静脈瘤が年々悪化する一方、若い時から左脚を庇い続けて来たつけが来たようで、最近は左膝より先に右膝が悲鳴を上げる


ちなみに10日間ほどの夜のツーリングで学んだ事は、郊外の道は状態があまり良くないので夜は自転車のライトでは心細く、神経を使うので全く気晴らしにはならないという事だった


そこで小説も書かずに、毎日自転車で走る一方でダイエットを缶コーヒー……もとい敢行し(こんな駄洒落ばかり考えてるんです)

体重が落ちた事で膝への負担を減らすことが出来たので、再挑戦し一か月以上遅れでダムにたどり着く

ダムカードは既に友達に車を出してもらい来ていたので(鹿肉、うどん、温泉も堪能済み)

ダムの天端から下を覗き込んで「たけぇぇよ! こえぇぇよ!」と恐怖を楽しむ

(主人公同様高所恐怖症。そもそも高いところが平気な人間の気持ちが全く分からない)


帰りは完全に脚を使い果たした状態であるが

ダムにさえたどり着けば、帰りは当別市街地まで緩い下り、しかも追い風(大抵そう)なので、なんとか市街地に到達

そこからは数㎞の位置に温泉があるのでゆっくりお湯に浸かって脚を回復させて帰宅しました


足の痛みは翌日まで引っ張りましたとさ……めでたしめでたし

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