ニアネス オブ ユー

独り寝の淋しさは

食欲に走って仕方ない


俺はジャズ屋の親父

今日も店を開けている。


静かな夜だ。

修行させてくれ と言ってきた奴も今日はきていない。

気になる奴だが 他の店で修行した方が良い。

今日はマイケルブレッカーのCDをのんびり焼酎を飲みながら聴いていたい。お客さんはきても来なくてもいいや、今日は・


色気とはなんぞや?といつもブレッカーを聴くと思ってしまう。とにかく色気のある音なのである。色気?とは何?と聞かれると、うどんを喉に詰めたように困ってしまうが俺には感じるのである。色気を、

匂いかな?

音を聴いて匂いを感じるのである。

それも優雅で甘美な、


上質なシーツにくるまって胸の奥をくすぐる匂いを発する音、それに色気を感じるのである。


聴くにはイヤホンなんて使わない。

ちゃんとしたオーディオで大きめにCDをかける。良いシステムのオーディオで聞くと音はよりまろやかでいくら聴いても耳が疲れない。生音はもっと良い。そこの空気までを連れてきてくれる。だからライブハウスをやっている。若者よ!本当の音を知れー


と言いたいが

今日は静かに

ブレッカーのバラードに身をまかせたい。


夜は艶やかでエロい


難儀な夜である。


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