第29話.特技とは?

「ただいま~」


「おかえり~」






家に帰った後、また、いつものように


自分の部屋へ行った。






「良し、アーチフィスの透明を解くか」






〝シュン〟






「アーチフィス、昨日、言ってくれた通り、


ちょっと宿題、手伝って~」


「かしこまりました」


「算数の問題のここなんだけどさ、


これ、一体、どうやって解けば良いの?」


「あ~、コレですか。ここはこうして」


「なるほど~!説明が解りやすい!!


さっすがアーチフィス!!!」






〝カキカキカキカキ〟






「ここは、どう解くの?」


「こうです」


「なるほど~!!ホント助かる~!!!」


いつもなら30分ほどかかる算数の宿題が、


アーチフィスが教えてくれると、


10分で終わってしまった。


「わ~!!あっという間に終わっちゃった~!!!


ホント、ありがとう!!!アーチフィス!!!」


「いえいえ。これくらい、何でもありません」


「いや~、でも、アーチフィスって、


ホントに凄いな~!!カッコ良いし、頭良いし、


ホント、僕なんかとは大違いだよ!!!」


「いえ、遊舞さんも、努力すれば、


これくらい出来るようになりますよ」


「そうかな~?」


「はい。きっと」


「ありがとう。でも、きっと、アーチフィスには敵わないよ」


「ありがとうございます。ですが、遊舞さんも、


まだ、自分で自分の才能や魅力に気がついていないだけなのでは?」


「え~?そう?僕の才能や魅力って何だろう?


僕は、特別、頭が良いワケでもないし、同じクラスの子達みたいに


何か得意な事があるワケでもないし、


あえて言うなら〝ゲーム〟。ってとこだけど、


〝ゲーム〟が上手いからって、別にモテるワケじゃないし、


それを〝カッコ良い〟って思ってくれる人も、少なそうだしな~」


「そうですか?世間がどう評価するかは知りませんが、


私は、無駄な特技などないと思っていますが」


「そうかな?」


「はい」






その時、遊舞は、


(今まで考えた事もなかったけど、


僕のこの特技がいつか役に立つ時が来るのかな~?)と


思っていた。






その後、漢字ドリルや国語の教科書の音読もして、


全ての宿題をした。






「ああっ!終わった~っ!!」


「お疲れ様でした」

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