第5話.久しぶりの下校

その話を聞いた後、遊舞は、


男子、女子、色んな友達と話しながら帰った。






同級生の友達の「宙尾泳そらおおよぐ」が話しかけてきた。






「なぁ、遊舞、先生、今日は、朝、


あんな事、言ってたけど、どう思う?」


「う~ん・・・」


「俺は、もう、やりたい事、決まってるぜ!!」


「え?それは何?」


「宇宙飛行士だよ!!」


「へ~!!カッコ良いな~!!そういえば、泳、


体力もあって、運動神経も良くて、修学旅行の時も、バスどころか、


そこのテーマパークのどの絶叫マシンでも、全く酔わなかったし、


全然怖がってなかったもんな~!!凄いよな~!!!」


「だろ~!!!」






次に、「音田奏おとだかなで」がこう言った。






「私は音楽家!!お父さんがヴァイオリニストで、お母さんが


ピアニストで、今、私、どっちも練習してるけど、出来たら、


どっちにもなりたいのよね!!欲張りで贅沢だけど!!!」






そんな彼女に対し、遊舞は、


「そんな事ないよ!!本気で叶えたい夢が2つもあるなんて、


素敵じゃないか!!ぜひ、頑張ってよ!!!」と言う。






その次に、「薬羽研一 (くすりばけんいち)」は、


「僕は、薬剤師!!薬の事、いっぱい研究するんだ!!」と言う。






遊舞は、研一に


「へ~!!これまた、厳しいけど、凄い夢だ!!」と言った。






「遊舞の夢は?」と、一緒にいた皆が遊舞に聞いた。






「う~ん・・・僕はまだ、決まってないんだ~」と言う。






しかし、奏は、そんな遊舞に対して、


「まだまだ大人になるまでに時間はいっぱいあるし、


遊舞は遊舞で、ゆっくり決めれば良いのよ!!」と言った。






「そっか!ありがとう!!」と遊舞が答えた。






歩いていくと、方向の違いにより、


あいさつをしながら一人ずつ別れ、最後、遊舞は、


一人になりながらも、家へ向かって歩いていた。






帰りながら、こんな事を思っていた。






(皆、もうこの年で既に夢、持ってて、夢のために


今からもう、頑張り始めてるなんてな~。なのに、


僕なんて・・・・・・)と。






この時、遊舞は初めて、自分がいつか就く「仕事」について


考え始めた。

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