主な登場人物たち


◇主要登場人物紹介(主に作者の雑感)


▼豊臣方


豊臣秀頼とよとみひでより近藤太一こんどうたいち

近藤太一とは「現代」で過ごしていた時の名前。

史実では巨漢であったとされているが、甘いものを控えた結果、絶世の美女とうたわれた母の淀殿の血を正しく受け継ぎ、端正な顔立ちの好青年に成長した。

周囲からの信任もあつく、多くの家臣や大名たちに慕われている。


千姫せんひめ

本作のメインヒロイン。秀頼の気を引こうといつも一生懸命頑張っているが、残念な結果に終わることが多い。周囲を明るくさせる何かをもった人物。

口癖は「秀頼さまなんて、だいっきらいじゃあぁぁ!」「秀頼さまぁ、だいっすきじゃ!」。どっちだよ、と思わずツッコミたくなるのは御愛嬌。


真田幸村さなだゆきむら

秀頼の良き理解者であり、側近。いつも冷静沈着だが、いざという時は感情を前面に押し出す。戦場では鬼神のごとき働きを見せるが、淀殿などの女性に弱い。そして意外と手が早く、正室の安芸だけでなく、いつの間にか蘭との間にも子ができている。あなどれない存在。


淀殿よどどの

秀頼の実の母。秀頼を溺愛している。四十を超えても変わらぬ美貌の持ち主。時折見せる氷のように冷たい視線と微笑に、秀頼は怖がっている。幸村を見る目も違う意味で怖い。


甲斐姫かいひめ

秀頼の文武の師匠であり側近。彼女もまた淀殿に負けぬ美貌の持ち主だが、性格は雷神のように苛烈。秀頼の側室の座を虎視眈々と狙っている。肉食系女子の典型。


石田宗應いしだそうおう(石田三成)

太閤秀吉存命時からの、豊臣家の重臣。豊臣家に全てを捧げる忠義の人。頭脳明晰で的確な判断を下すことに長けているが、仇敵の徳川家康のこととなると、われを忘れる傾向にある。あと意外と女性に素っ気ない態度をとりがち。作者の周辺では「彼が本作の主人公なのでは?」と疑われるような抜群の存在感とかっこよさを放っている。


伊茶いちゃ八木麻里子やぎまりこ

八木麻里子とは、「現代」で過ごしている時の名前。

秀頼の側室であり、現代では太一の幼馴染。ポジション的には美味しいが、千姫の存在感が大きすぎて、あまり目立てず……。


あざみ

秀頼の側室であり、担当医のような役目も担う。前作では序盤からちょっとずつ登場はしているものの、それでも千姫の存在感は超えられなかった。

しかし書籍版では圧倒的ヒロインのポジションを獲得し、勝負に負けて戦いに勝った状態となっている。


大野治長おおのはるなが

片桐且元かたぎりかつもと

苦労人たち。しかし彼らの存在があってこそ、大坂城は平穏に成り立っているというのを忘れてはならない。


大蔵卿おおくらきょう

侍女を取り仕切る怖いおばさん。彼女に逆らった侍女は……。以下、自重。


らん

千姫の侍女。『某ドラマ』に引っ張られすぎているとの指摘が多かったのは反省すべき点。今でも傍若無人ともいえる彼女の振舞いは『某ドラマ』を感じさせるのは目をつむっていただきたい。


青柳

千姫の侍女。蘭と千姫にいつも振り回されている。

心優しい美女。実は大蔵卿の姪であり、木村重成の妻という属性を持っているが、あまり気づかれていない。(作者すら時々忘れてしまう)



▼徳川方

徳川家康とくがわいえやす

前作では、もう一人の主人公。

徳川政権を盤石にした上で、政権のすべてを息子の秀忠に譲った。

今は駿府で孫たちと悠々自適な生活を送っているとか。


徳川秀忠とくがわひでただ

『空気の読めない人』の典型。曲がったことが許せず、信賞必罰を明確にする性格。

秀頼に対しては絶大な信頼を置いており、さながら片腕のように彼を頼りにしている。


江姫ごうひめ

秀忠の妻であり、千姫、徳川家光、徳川忠長の母。

見た目は千姫にそっくり。柔らかな物腰だが芯の通った強さのある女性。

子どもたちを等しく愛している。


於福おふく

史実における第三代将軍、徳川家光の乳母。

明智光秀の重臣、斎藤利三の子として生まれ、不遇の日々を送ってきた。

そのためか反骨精神のかたまりのような人物で抜け目がない。

野心と自信に満ち溢れ、己の野望を果たすためならいかなる手段をいとわない。


天海てんかい

僧侶。

家康の心の補佐役であり、於福の後見人でもある。

裏で家康の糸を引いていた人物と言えなくもない。

明智光秀その人である、という噂もある。


以心崇伝いしんすうでん

僧侶。

しかし家康の腹心として政治を裏から動かす影の宰相。

家康の補佐という意味では、天海とポジションがかぶっている。


徳川家光とくがわいえみつ

幼名は竹千代。史実通りならば第三代将軍となる。

父は徳川秀忠で、母は江姫。

駿府で過ごし、物ごころついた頃から家康を尊敬している。

女性に対して、乳母の於福の他に興味を示さない。


徳川忠長とくがわただなが

幼名は国千代。家光の弟で史実通りならば駿府、甲斐、遠江の三国を束ねる大名。

家光と比べると早熟気味で、自信過剰なところがある。


本多正信ほんだまさのぶ

家康の軍師でありながら秀忠の補佐役でもあり、全編を通じて登場の機会は多くはなかったが、要所要所でしっかりと締める人物。素晴らしい役回りだった。


阿茶あちゃの局

影で家康を支えた側室。彼女の存在感もまた徳川家においては大きく、正信と同じような役回りをこなしていた。こう考えると、家康は周囲の人物たちに恵まれていたことが良く分かる。


立花宗茂たちばなむねしげ

西国無双。前作の柳川の戦いにおける彼と妻誾千代のくだりは、数あるエピソードの中でも特別な輝きを持っているだろうと作者は思っている。

本作では秀忠、家光の補佐役となる。


伊達政宗だてまさむね

食えない男で、一体何を考えているのかさっぱり分からない。


大久保彦左衛門おおくぼひこざえもん

三河武士の典型的な人。頑固、貧乏、曲がったことが大っ嫌い、けんかっ早い。そして何よりも義理と人情にあつい。



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