第39話 決着?

 和哉たちと神凪生徒会長たちは三階から二階へと向かう階段を降りきり、階段のある場所から少し離れた所で体制を整えた。


「人数が増えたみたいだけど、それで僕に勝てるとでも思っているのかい?」


 少年は自分の足元の床を蛇弾で破壊し始める。床は次々と蛇弾によって穴を開けられていき、少年は床の破片ごと二階へと落下していった。


 もうもうと崩れた粉塵が視界を遮る中、床の破片と一緒に落ちてきた少年はゆっくりと和哉たちの前に歩いてくる。


「私が行く」


 月白は徐々に視界に映りつつある少年の姿に向かって走り出した。少年は薄笑いを浮かべ走ってくる月白に向けて蛇弾を放つ。


 月白はその弾を左に体をずらして避ける。その避けた先に次の弾が撃ち込まれる。それを再び体を左にずらして避ける。


 そうやって月白は床から左の壁へ天井へ、そして右の壁から床へと螺旋状に走りながらその先端に位置する少年に向かっていく。


「くっ!」


 放たれた蛇弾はあと少しのところで月白に当たらず、少年は悔しげな声を漏らした。


 その間に、月白は少年の目前にまで近づき、そのまま床を蹴り上方へ跳び上がる。少年が見上げる姿を確認しつつ、彼を飛び越え体をねじり半回転して背後に廻る。


「ここまでだ! 蛇の妖魔!」


 月白は前脚で背後から少年を押し倒し、背中に脚を乗せ組み敷いた。


「うぅっ! は、放せ……」


 月白の前脚の下で少年は暴れてみるものの、彼の三倍以上もある月白に組み敷かれては、そう簡単には抜け出せはしない。


「やったね! 月白!」


 月白が廊下の床に少年を組み敷いているところに、茜と神凪生徒会長、和哉、浅葱が駆け寄る。

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