うさぎさんはねつく

~合宿3日目の朝5:30 合宿所各自部屋~


今日も朝から、その辺の散策をしつつ軽い運動なので起きてゴソゴソと

準備する。例によって、和多貫司の6:00リミットの遅刻へのスタンバイが

始まった。さすがに今日は遅刻者ゼロだ。


山奥の公園で、体操をして、司の号令で軽い運動をして、合宿所に戻る。

今日は大林家康と遠藤雄輔のコンビは松ぼっくりを拾っていない。

石元小政が見張っていたみたいだ。


~合宿3日目の朝7:30 合宿所食堂~


散策から戻って部屋でちょっとゆっくりしてから食堂に移動する。


朝ご飯はぼくはパンだ。基本的にどこかに泊まった時の選べる朝食は、

トーストとスクランブルエッグとソーセージ。美味しいからね。

大林茂秋は焼き鮭を選んだ。茂秋は生魚が苦手なのに、焼いてあるものは

大丈夫なようだ。ご飯2杯目を食べている。たくさん食べなさい。


そんな中、今日もこっそりと、うさぎさん達にブロッコリーとトマトを渡す。


「うさぎさんねー。れたすもたべるよ。」

「れたす。れたす。」

「さらだねー。こんぷりーとだよ。」

「こんぷりーとだぞ。にいちゃん。こんぷりーとってなに?」


どうやらおとうとくんは難しい言葉はわからないみたいが、


「こんぷりーとはねー。ぜんぶたべたってことだよ。」

「やっぱにいちゃんすげーな。」


微妙におにいちゃんの説明が間違っているケドおとうとくんは大満足なようだ。

こうやって好事園のワードが増えているんだろうな。


~合宿3日目の朝9:00 合宿所体育館~


部屋で道着に着替えて体育館に行く。今日は司が考えた地獄メニューじゃない。

午前中は試合形式で1人1,2試合する。午後は休みだ。やったね!!!


体育館は今日はネットで半分に分けられている。半分はぼく達で、

半分はバドミントンの人達だ。舞台側の半面で軽く準備運動をしてから、

試合が始まる。


試合のルールを箇条書きする。


・試合時間1分半

・6ポイント先取

・ポイント差で勝負

・引き分けは再試合なし


せっかくなので、ポイントも箇条書き。


・1本(3ポイント):上段蹴り・足払いで崩した上での攻撃

・技あり(2ポイント):中段蹴り・ワンツーでどちらも綺麗に決まった場合

・有効(1ポイント):基本的な突き全般


試合が進んで行くが、やっぱり知橋正臣は強い。ワンツーだけで相手に

勝っている。戸田一麿も強い。スピーディなステップで前後に相手を

揺さぶって、隙ができたところで、中段蹴りだ。アレは避けれない。

鬼軍曹こと司と知橋の試合は面白かった。接戦だったが、知橋のワンツーは

やっぱり避けれないよね。


そんな中、家康と館長こと橋尻虎哉の試合で大事件が起きた。

館長が家康に試合開始わずか6秒で、あっさり負ていた。


開始直後に、足払いで転ばされて上段突きで1本。すぐに開始直後、

上段蹴りで1本の6-0。もはや…いやドンマイ☆


ぼくの試合?そんなの2試合して何の見どころもなく、

ポイント差勝ちと引き分け。全然良い動きなんかできなかったよ。

試合は難しい。


自分の試合も終わり、ふと何となくネットの向こうの半面のバドミントンを

見てみた。

…ぶへぇ!?うさぎさん何してるのよ!?!?!?


「うさぎさんねー。しゃとるねー。ひろうよ。」

「うわぁ。にいちゃん!たすけて!にいちゃん!」

「とぅー。とぅー。」

「たすけて!たすけて!」


うさぎさん達がバドミントンのシャトルを隅の方でコソコソ持ち上げている。

おにいちゃんは持ち上げて、50cmくらいの距離を投げては拾っている。

おとうとくんは逆さまになったシャトルに捕まって牢屋みたいになっている。


「うわぁ。みつかるー。にげろ。にげろ。」

「まってよー。にいちゃんまってー。」


うさぎさんバドミントンしてみたかったみたいだね。

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