うさぎさんにげる

~合宿1日目の夕18:30 合宿所各自部屋~


部屋に戻ってくると、後輩の大林茂秋が、


「ヤバいです。筋肉が。ヤバいです。」


と、すでにボソボソとつぶやいている。

ちなみに部屋は、2段ベッドが6セット置かれた畳敷きの10畳間だ。


ベッドの人員配置を箇条書きにすると、


・入口側左 → 上段:茂秋・下段:ぼく

・入口側右 → 下段:速水治幸

・窓側左 → 上段:遠藤雄輔・下段:大林家康

・窓側右 → 上段:知橋正臣・下段:石元小政


となっている。何で1番先輩なのに入口なんだって?窓側は夜は怖いからね。何しろ山奥だし。

ちなみに部屋は2階グラウンド側。おぉ怖い。


「先輩、洗ってしまうので道着脱いで、ドロケイの時に着た物も出しておいてください。」


遠藤が洗濯をしてくれる。ありがとう。申し訳ないね。

そこから、19:00の風呂までの間に体をほぐしたりする。うぅ。腰が痛い。


~合宿1日目の夜19:00 合宿所大浴場~


風呂の時間になったのでみんなで風呂に行くと、合宿所の風呂は大浴場で、30人は入れるが、

いるのはぼくの部屋の人だけだ。脱衣所で籠に服をダンクすると、風呂場で体を洗うために座る。

すると、


「つめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」


小政がうるさい。おい。小政うるさいよ。風呂で響くからホントうるさい。


「家康先輩ひどいっす。」


まだ何か小政がごにゃごにゃ言っていると、


「せんぱーい。石元が体洗ってるところに正面から水掛けてやりました(ニヤリ)」


体洗いがアイランド型なのでその反対側から、家康が桶で水を掛けたようだ。

知橋はそれを怖れてすでに洗い終わって湯船に入っている。

ぼくも洗い終わって湯船に入ると、


あっつい!何だコレ!!メチャメチャ熱いじゃん!!!

熱くない?知橋おかしいよ!!!!!


熱湯のアレのヤツばりの激熱の湯船に知橋は漂々と入っている。

それを見た他の後輩たちは何となく湯船を回避した。小政を除いて。


小政が禁断の湯船で泳ぎ始めると言う行為にイラっとして、つい必殺タオルを遣ってしまった。ピシャンと。

いわゆる、あの背中鬼や塩漬け原人が出てくるマンガで、海の王様が遣っていた[アレ]だ。


そんな風呂も終わり、夕飯を食堂で食べたら、合宿1日目はヘトヘトなため、何ごともなく終了。


「うーんとねー。うさぎさんはねー。ここでねー。ねんねはねー。いやです。」


言うが早いか瞬間移動で、合宿所から家に帰って行った。


うさぎさんおやすみなさい。

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