うさぎさんうろつく
~合宿1日目の朝6:30 横浜~
横浜に到着したぼくと知橋正臣は、大林家康たちと合流した。
「押忍。おはようございます。先輩行きましょう!」
さっそく千葉方面の電車に乗り、移動する社内で、
「あのねー。うさぎさんねー。すきかってーにうごくまーん♪」
うさぎさんが自作の[好き勝手に動くマン]の歌を歌いながら、休日でガラガラの電車をうろうろし始めた。
バリア張ってるし飽きたら戻ってくるだろうから放っておこう。
「先輩、合宿楽しみっすね。」
いやいや、不安で仕方ないよ。社会人はケガとか色々怖いわ。
って何そば食べてるんだよ。
「いやぁ。旨いっす。朝のざるそばサイコーっす。」
家康が朝からガラガラのほぼ誰もいない電車で、ざるそばを食べ始めた。
こ…怖い。その合宿なのに旅情を味わわんとするばかりのバイタリティ。
「先輩。自分見つけてしまいました。」
ん?何を??後輩の遠藤雄輔が何か言い始めた。
この遠藤は、ぼくと顔の系統が似ているせいか師匠の老松先生に兄弟と言われている。
そして音楽の嗜好も合う。
「電車の中に…奥歯が生えてます。」
は??指を差された方向を見ると、後輩の石元小政が後ろを向いている。
「あいつ…何を勘違いしたのか昨日角刈りにしたらしいっす。」
シルエットがマジで奥歯!!!!!
「おい、石元!何で角刈りにしたの??」
「うるさいよ遠ちゃん。気合の現れだよ。」
ぼくと遠藤で爆笑をこらえていると家康が横でざるそばを噴出した。
まぁそうなるよね。
「大林先輩。石元が僕にずっと絡んでくるんですよ。」
大学で空手道部に入る前に高校で柔道有段者になったのに、気弱な大林茂秋が訴えてくる。
ちなみに大林茂秋は大林家康の弟や親戚関係では全くない。
「あいつ昨日の練習からずっと騒がしいんですよ。」
それはいつものことでしょうよ。早く千葉に着かないかな。
「千葉なら夢の国行きた過ぎるので、夢の国に行きます。」
夢の国大好きな後輩、速水治幸が夢の国愛を持ち出し始めた。
家康も大変だね。この自由な人々をまとめるの。と、思いつつ千葉に電車は向かっていくのであった。
「うさぎさんねー。でんしゃのねー。はしからねー。はしまでねー。とんでねー。うろうろしたの。」
と、言いながらうさぎさんが戻ってバッグに潜り込んだ。
あぁ…うさぎさんが1番自由だ。。。
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