うさぎさんまぎれこむ

長い長い夏のある日、一本の電話が来た。


「押忍。お疲れ様です。いまお時間大丈夫でしょうか?」


うん。だいじょーぶ。あとだからオレの時は堅苦しいの気にしないでって!!


「押忍。すみません。せんぱーい。合宿行きましょう!」


え?合宿??


「9月の半ばに3泊4日で合宿に行くんで、忘れずに道着持ってきてくださいね!」


いやいや、待て待て。確かにスケジュール的に大丈夫だケド。


「じゃあ行きましょう☆」


え?場所は??千葉???宿泊費は???1日3000円で当日????


と、言うことで9月の夏休みに合宿に行くことになった。







~合宿1日目の朝5:30 地元~


「押忍。おはようございます。」


知橋おはよー。横浜6:30って何よマジ。


「やっぱり千葉だから朝早すぎですよね。」


え?そう言えば千葉でこの時間って午前からいきなり練習??


「午前中は、ずっとドロケイ(ケイドロとも言う)らしいですよ。ダッシュで。」


うわぁ。すでに行きたくなくなってきた。


走ることと暑さが一番苦手なぼくはすでに帰りたい。


地元で後輩の知橋正臣と合流して話しながら電車で横浜駅に向かう。


ちなみにこの知橋、全国レベルの選手でやっぱり強い。ぼく場違いじゃないかなやっぱ。


「あのねー。うさぎさんたいそうをねー。すればねー。だいじょうぶだよ。」


ぼくがうさぎさん体操しても強くならないよ…って!


え!?うさぎさん!!何で?またバッグに紛れ込んでるの!?!?!?


知橋にバレちゃうよ!!!それにバレたら知らない人に盗まれちゃうよ!!!!


「ばりあーをねー。はってるからねー。みんなにねー。みえないからねー。だいじょうぶ。」


あぁ。見えないのか。え?うさぎさんどーするの??付いて来るの???


「あのねー。あきたらねー。しゅんかんいどうでねー。かえるからねー。だいじょうぶ。」


瞬間移動!?!?


「かみさまだからね。」


「先輩どうしました急に。」


え?何でもない。大丈夫。


「もう横浜着きますよ。大林先輩ももう来てますかね。」


時間きっちりだから来てるんじゃないかな。と思いつつ、

横浜に到着するのであった。

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