うさぎさんふえる

引っ越してからしばらく経ったある日、駅の雑貨屋さんの店頭で

うさぎさんと同じぬいぐるみの更にちいさいのを見つけた。


「あー。おとうとだー。」

「にいちゃん。にいちゃん。たすけて。たすけてー。」

「あのねー。おとうとをねー。たすけて。」


おとうとくんかぁ。うさぎさんのおとうとくんだったら助けないとなぁ。

お会計お願いします。


「840円です。お菓子は420円です。」


おとうとくん地味に高い。ぼくの大好きなオーストラリアでメジャーなあのチョコレート菓子の倍の値段。


「うわぁ。にいちゃん。にいちゃん。」

「おとうとひさしぶりー。あのねー。うさぎさんのねー。おとうとはねー。3さいなんだよ。」

「ふくかみさまなんだぞ。えらいんだぞ。」


え?おとうとくん副神様で3000歳なの!?


「おとうとはねー。きゅうしゅうにねー。にげたねー。あしかがさんをねー。たすけたの。」

「あしかがさん。しょーぐんになったんだぞ。えらいんだぞ。」


さすが神様ご兄弟。スケールが違う。まさかの足利尊氏。

でも何で???


「あしかがさんがねー。だいこんをねー。あしかがでねー。くれたの。」

「でもにいちゃんもおとうともさのさんのほうがすきなんだぞ。」

「さのさんはねー。きいちごをねー。くれるよ。」


物で釣られてらっしゃる。とりあえず帰りますかぁ。

帰ったらチョコレート食べよう。


「うさぎさんはねー。ちょこれーとのねー。ちゃいろになるとねー。死んじゃうんだよ。」


え!?


「こーじえ「載ってません。死にません。」」


あ。彼女いたの。そうだよね。キミの家だからね。

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