うさぎさんひっこす

ある日、彼女が西東京から横浜へ引っ越した。

駐車場付きの2DKだ。


「お互い会社に近いし良いでしょ。」


だいぶ近くなったな会社。引っ越してから1週間後、

周囲の散策をした。


うさぎさんが潜り込んでいるとは知らずにバッグを持って。


「スーパー近いし駅も映画館もボーリング場も近いし良いわね。」


とりあえず今日はゲーセンでメダルゲームでもするか。

その時うさぎさんがバッグの中から出てこようとする。

え?入ってたの!?!?出るんじゃない!!!!!


「うさぎさんねー。ゆーふぉーきゃっちゃーのねー。なかにはいるー。」


ダメです。捕まるし、盗まれちゃうよ。


「ばりあでねー。とうめいにねー。なれるからだいじょうぶー。」


それでもダメです。うさぎさんが盗まれたら悲しいよ。

じゃあゲーセンやめるか。そのまま散策していると、


「きんぎょやさんだー。きんぎょのねー。めだまはねー。くさいんだよー。こうじえんにのってるよー。」


載ってません。生臭そうだケド。


「うわぁ。いたいよー。いたいよー。」


うさぎさんが金魚の水槽に突撃してポヨンと弾かれていた。


「いたいよー。いたいよー。にげろ。にげろ。」


うわ!逃げるんじゃない。慌ててバッグの中に収納。

セーフ。バレてないセーフ。じゃあ近所のスーパーでアイス買って帰るか。


「うさぎさんねー。すうじのねー。なまえのあいすー。」


あれね。じゃあキャラメルで良いかな?


「うさぎさんねー。きゃらめるとねー。おれんじー。」


ダブルください。


「しわしわのねー。みかんはねー。おれんじじゅーすにつけると

「直りません。しわしわのままです。」うわぁ。にげろ。」


じゃあ帰りますか。

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