Wald
平原で遊んでいたヘラジカ、ライオン一行の情報により、帽子泥棒が図書館へ向かったことを知ったロンメル達。帽子泥棒を追って、一行の載った装甲車は木の生い茂るしんりんちほーへと入って行く……
注意
このお話には
難解な(読みにくい)文章
ガバガバ設定
Sd.kfz.232について知らないとついていけないかもしれない内容(一応、前話に軽くまとめてます)
が含まれています。
それでも大丈夫ですというかた、どうぞ
────────────────────────
「ゲートを通ったら、今度は森林地帯に変わったな」
「しんりんちほーに入ったみたいだね~。」
「そうみたいだな。」
そこは名前の通り、森林地帯が広がっている場所。
これから向かう図書館は、そのだだっ広い森の中にあるそうだ。
「しかしまぁ、随分と鬱蒼とした所だな。日の光が少し位しか地面に届いてない。さすが、しんりんちほーと名前が付くだけはあるな。」
「帽子泥棒もこの道を通ったに違いないのだ!臭いがプンプンしてくるのだ!」
「ライオン達が言うには、帽子泥棒は図書館へ向かったらしい。たしか、森に入って二つ目の分かれ道を右にだったはずだが……っと、あれがひとつ目か。」
意外と入ってすぐの場所にあった最初の分かれ道を通りすぎる。分かれ道には案内表記の看板が建っており
そこには、日本語とローマ字、英語が書かれていた。
右『野鳥公園』左『ジャパリ図書館』と書かれている。こんな森の中だ。色々な野鳥がいるのだろう。
しかしまぁ、長いこと整備されていないのか、案内表示の看板はツタが絡まり、文字も相当掠れている。
看板の文字も辛うじて読めたぐらいだ。
「……やはり誰も整備出来る者がいないのか。」
そう、ポツリと呟く
「このパークにある沢山の建造物は、フレンズには整備することが出来ないからね~。」
が、フェネックには聞こえていたのか。そう、返してくる。
「たしかに、そうだったな……」
それもそうか、元が動物なのではヒトに成れたとしても人が残した遺物を使える筈がない。
縦しんば使える者が居ても整備の仕方まではわからないだろう……
そう、過ぎ去る看板を横目にすすむ。
所々、バス停なんかも見える。
何れも皆、過去の遺物なのだろうと考えると何だか寂しさが込み上げてくる。
まるで、SF小説なんかで見掛けるような世紀末のようだ。
そんな風に余所見をしながら考えていると……
キィィという派手な音と共に、突然車両がスリップする。
「「うわぁっ」」
という情けの無い声が車内にこだまする。
「すまない。石にでも乗り上げてしまったようだ。」
車両を真っ直ぐ向けようとハンドルをきる。
グワッ
「うおぉぉ。」
今度は逆に滑ってしまう。
なるべく小さくハンドルをきる。
すると、なんとか、態勢を建て直すことに成功する。
「今度は上手くいったか。」
「だ、大丈夫なのか?」
「もしかして、不調~?」
二人から心配されてしまう。
人の命を預かる運転者として、余所見は禁物だった。
油断大敵というが、本当にそうなのだ。
「いや、不調って訳じゃない。道が滑りやすくなってただけだろう。まぁ、少しハンドルを切りすぎたってのもあるが」
「ハンドルを切りすぎるとどうなるの~…?」
「今みたいに、スピンする。」
「じゃあ、あまり切らないがいいの?」
ぐいぐいとフェネックが質問してくる
どうやら、すくなからず
「切らないと、今度は曲がれなくなる。」
「???…何だかよくわからないけど、要するに良すぎても悪すぎてもダメってことなのか!?」
「まぁ、そういうことだ。」
「良すぎても、悪すぎても駄目だなんて面白いもんだね~。」
「そうか。」
おもしろい……のだろうか、やはり動物からしたらそう言った事が新鮮なのかもしれない。
その後も何事もなく、そんな他愛の無い話をしながら森の中を通っていく……
数十分程走ったところで二つ手の分かれ道が見えてくる。
今度は右『ジャパリ図書館』左『臨時空港』と表示されている。迷わず右手に進む。
しかし、左側の空港。臨時と書かれていたのがとても気になる。
その空港への通路には放棄された車両が放置されていたのが確認出来たのだが……何処をどう見ても軍用車両だったのだ!しかも、重火器まで放棄されたままだった。
このジャパリパークで過去に何が有ったのか……
軍隊まで出てきて武器も回収せずに撤収なんて、余程のことがない限りあり得ないだろう。
人が逃げ出すほどのことがこのパークには在った、ということなのだろうか?
頭の中に、フロントガラスが割れた軍用車両と其処に残されていた重火器。
もしかして、このジャパリパークには私の知らないことが色々隠されているのかもしれない。
そう、色々考え込む内に周りが見えなくなってしまっていた。
「ロンメルさん!前!前!」
「ん、前がどうし……!」
キィィィ
……………………
同時刻 ジャパリ図書館
ジャパリパークにある本棚が沢山ある建物。
それがジャパリ図書館である。
図書館を管理するのは博士、助手。ここ、ジャパリパークで
何時もは読書をしたり、来訪するフレンズの話を聞いたりと割と忙しい日々を送っていた……
のだが、最近はセルリアンという、謎の危険生物が多く発生しているため、来訪するフレンズが減っていたのだった…………
「はぁー。」
と、灰色の服装をしたフレンズ、博士がため息をつく。
「どうしたんですか?博士、ため息なんかついて。」
茶褐色の服装に身を包んだ、助手がそう言葉を投げ掛ける。
「どうしたも何も、何も起こらなさすぎて退屈なのです。かばんが置いていった作りおきのカレーも1日でなくってしまったのです。」
博士は、読んでいた本をおもむろに机の上に置くと、そう言った。
「なら、PPPのライブにでも行ってきたらどうです?丁度今日は開催日ですよ。」
助手は、またかとでも言うように軽くそうあしらった
「騒がしいのは苦手なのです。」
と博士が言う。
「何も起こらなさすぎて退屈だったのでは?」
助手からの的確な突っ込みに博士が狼狽える
ウッ「た、たしかに退屈なのも嫌ですが、騒がしすぎるのはもっと嫌なのです!」
しかし、博士が開き直り反撃する
「やれやれ……困った博士なのです。」ボソッ
「何か今、言いましたか?」
「いえ、何も言ってませんよ。」
「そうですか。ならいいのですが……」
「─それにしても、先程から森が何だか騒がしいのです。」博士が言う「これは何か大きなことが起こりそうですね。」
「最近増えているというセルリアン。パークに何もなければいいのですが……」
そう言って二人で森を見つめる
森が風を受け、ザワザワと大きな音を立て揺れていた
………………
林道
森の中に伸びる一本の道
その中を猛スピードで駆け抜ける車両があった。
そう、ロンメル一行が乗った車両だ。
後ろには、
─青色の身体に、目が一つ付いた異形の物体─
一言で言うならば化け物がそのスピードに遅れを取らずについてきている。
「あいつは一体何なんだ!?道中に居たと思ったら急に攻撃を仕掛けてきたぞ!」
「ロンメルさん、落ち着いて。あれはセルリアンだよ~。」
「セルリアン!?何だそれは。」
「詳しく説明してる暇はないけど~。私達フレンズを襲って~。フレンズから輝きを奪うのさ~。」
「……奪われるとどうなる?」
「輝きが奪われたフレンズは、元の動物にもどっちゃうのだ!」
「……じゃあ、奴を倒す方法は!?」
「セルリアンについている石を破壊するか~。」
「水を掛ければ倒せるのだ!」
「水?」
飲み水があるにはあるが、絶対量が不足している。
ならば、倒す方法はただ一つ石を破壊することだ。
しかし、これは一か八かの賭けになる。失敗したら捕まるか、距離を詰められるだけだ……
そんな考え事をしている間にもセルリアンとやらは、触手のようなものを伸ばして攻撃をけしかけてくる。
ハンドルを急いで左に切る
車体が横に急旋回し、すんでのところで触手をかわす。車体スレスレを通過していく
今のところは攻撃を受けていないが……
いつまでも攻撃を受けないとは限らない。
かといって、唯一の攻撃手段である、20mm機関砲は固定されているため、前方にしか発射できない。
また触手が伸びてくる
今度はハンドルを右に切る
と、同時に今度は完全に道を外れてしまった。
が、セルリアンは付かず離れず付いてきている
これは、流石に不味いだろうか
仕方がない。ここで一手打つしかないか。
「フェネック!」
「な~に~?ロンメルさん。」
「その石ってのは、硬いのか?」
「んー。セルリアンの大きさにもよるけど~。あのくらいならそこまで固くないよ~。」
「そうか、ありがとう。」
あのくらいだと?まだ、あれよりデカイのが居るというのか……だが、まぁいい。
「たった今作戦を考えた!この作戦にはアライに教えたアレが出来ることが前提なんだが……やってくれるか?」
「アレ?」
フェネックがキョトンとする。
そういえば、教えていなかったか。
「アライさんにどーんと任せるのだ!」
アライグマが快く承諾する。
「そうか。では運転しながらだが、今から作戦を説明する!聞き逃すなよ?…………
────────────────────────
アライグマ視点
………いうわけだが、何か質問はあるか?」
たった今、ろんめるさんからの説明が終わったのだ。
内容は物凄い速さで付いてきているセルリアンを倒す方法について。アライさんもアレほど速いセルリアンは見たことがないのだ!だから、これから始まるセルリアン退治も少し、ほーんの少し怖さを感じている。
本当に少しだからな!?
べ、別にセルリアンに食べられたらどうしようとか思ってる訳じゃないのだ!
本当なのだ!
「特に問題ないと思うよー。」
「大丈夫なのだ!」
取り敢えず、ろんめるさんの作戦に賛成する。
「了解した。何度も言うようだが、アライ。頼むぞ?」
「アライさんにどーんとおまかせなのだ!」
今回の作戦はアライさんに掛かっているとろんめるさんから何度も言われたのだ。
自然と緊張する。
本当は任せられるのが怖い。
セルリアンに初めて対峙したときのことは今でも覚えている。
「良い返事だ。では、さっき話した配置に就いてくれ!」
そう、ろんめるさんから指示を受ける
まさか、昨日の今日で習ったアレをやることになるとは思わなかったけど、ろんめるさんから信頼されてると思うと何だかとても嬉しいのだ。
っとっと、そんなこと考えている場合じゃなかったのだ!急いで配置につかないといけないのだ。
狭いそうこうしゃの中を移動して、ろんめるさんに言われた場所に就く。
「ろんめるさん、配置に就きましたなのだ!」
「私も就いたよー。」
「わかった。タイミングは私が合図する。凄く揺れるから掴まっておけよ!」
「はーい」
「わかりましたなのだ!」
そういって、言われた通りに近くのものに掴まる。
フェネックも、すぐ近くの棒に掴まっているのが見える。
アライさんが装甲車に掴まってから直ぐにその時はやって来た
「……今だ!ちゃんと掴まってろ!」
ドオオオオォォォ
そうろんめるさんが叫んだと同時に身体中に強い衝撃を感じる。
キィィィ
そして、そうこうしゃが停止する。
「今だ!アクセルを踏め!」
ろんめるさんから合図が来る。
「なのだぁぁぁぁ!」
大きな声で叫びながら、思いっきりあくせるを踏む。そうこうしゃが再び動き出す。
「やった!やったのだ!アライさんも遂にそうこうしゃ?を運転出来たのだ!」
そう、今まさにアライさんはそうこうしゃを運転しているのだ。昨日、ろんめるさんから教えてもらったことがもう役立つとは夢にも思っていなかったのだ。
「ちゃんと前見て運転しろよ!昨日、教えた通りだ」
「わかっているのだ!」
「そうか…………頼んだ!」
「まっかせるのだ!」
ろんめるさんからのその言葉に大きな声で返事をした
………………
十数分前 ロンメル視点
……というわけだが、何か質問はあるか?」
「とくに問題ないと思うよ~。」
「大丈夫なのだ!」
「了解した。何度も言うようだが、アライ。頼むぞ?」
作戦といっても、とてもお粗末なものだが殴られっぱなしよりかは良いだろう。
「アライさんにどーんとおまかせなのだ!」
そうアライさんから威勢の良い返事が返ってくる。
「良い返事だ!では、さっき話した配置に就いてくれ!」
そういうと、直ぐ様アライグマは後部運転席に、フェネックが砲塔へ移動し、
「ろんめるさん、配置に就きましたなのだ。」
「私も就いたよ~。」
と返される。
「わかった。タイミングは私が合図する。凄く揺れるからちゃんと掴まっておけよ!」
「はーい。」
「わかりましたなのだ!」
二人がちゃんと掴まっているのを確認する。
これからやる、作戦。
まず、最初の滑り出しが肝心だ。
上手くやるにはセルリアンが触手で攻撃するときを見計らわないといけない。
幸い奴は攻撃するときに、触手を引っ込めるという分かりやすい癖があるようだ。
それを利用する他ない。
さぁ、セルリアンよ攻撃してこい。
こちらは準備が出来ているぞ?
その思いが伝わったのか、セルリアンが触手を引っ込める。
そして、突き出そうとしたその時
「……今だ!掴まってろ!」
思いっきりハンドルを切る。
ドオオオオォォォ
という、物凄い音とともに、車両が半回転し、車両の前方がセルリアンの方を向く。
ハンドルの効きが良すぎるこいつだからこそ出来る芸当だ!
これで、こいつが積んでいる20mm機関砲が使えるようになった。
「今だ!アクセルを踏め!」
直ぐにアライさんに合図を出す。
「なのだぁぁぁ!」
それを聞いたアライさんが叫びながら装甲車を発信させる
「よし」
それと確認し、直ぐ様運転席から離れ、機関砲を撃てる位置に就こうとする。
が、そこには、手を床につくフェネックの姿があった。
「どうした!?」
「ちょっと今ので腰が抜けちゃったみたいで……」
そういう、フェネックは腰がガクガク震えてしまっている。弾装取り替えを手伝って貰おうと思ったが無理そうだ。
無理に立たせると良くないだろう。
「わかった。じゃあ、そこの椅子に座っていてくれ!無理させてすまなかった。」
そういって、頭を一撫し、ふとアライグマのいる後部運転席を見る。
少しフラフラな運転ではあるが、昨日の今日でこの上手さなら問題ないだろう。
「やった!やったのだ!アライさんも遂にそうこうしゃを運転出来たのだ!」
アライさんの声が後部運転席から聞こえてくる。
「ちゃんと前見て運転しろよ!昨日、教えた通りだ」
「わかっているのだ!」
またも、アライさんから威勢の良い返事が返ってくる
「そうか……任せた!」
その返事に答えるよう、大きな声で返す。
「まっかせるのだ!」
何度聞いても、気持ちのいい返事だ。
そんなやり取りを終え、注意を機関砲に向ける。
ここでは使う必要が無いと思っていたが、そんなことはないか……
照準器を覗き込む。
セルリアンとの彼我の距離は十数mといったところだろうか。
そんな距離、どんな下手くそでも当たる。
1つ目の化け物。
覚悟は出来たか?
その何を考えているかわからないその目玉に、鉛弾をくれてやる。
引き金を、ゆっくりと、軽い力で、確実に……引く!
すたーんという軽快な音と共に、セルリアンに閃光が迸る
……
一発、二発と、砲身から弾が飛び出して行く。
一瞬にして、一弾装を撃ちきってしまった。
しかし、見まだ化け物はやられていなかった。
全身がズタズタになろうと、恐怖という感情が無いのかのごとく追いかけてくる。
いや、本当に感情が無いのだろう。
2cm機関砲によって開いた孔が、みるみる塞がって行く。
──やはり、『石』を狙わないとダメか
見ると、頭の方にキラキラした核の様なものが見える。あれが、『石』だろう。
空になった弾装を取り外し、新しい弾装を装填する
そしてそこにゆっくりと、狙いを付ける。
「
号令と共に勢い良く、弾が発射される。
一発、二発、三発……と、吸い込まれるように石に命中する
突如、セルリアンが膨らんだ………
刹那、『パッカーン』という何かが弾けるような音とともに、ブロック状に弾け散った。
「倒したみたいだね~。」
そう、フェネックから話し掛けられる
「そう…みたいだな。」
もう、しつこい追跡者は居ない。
装甲車は森のなかをアライさんの運転で、ゆっくりと進んでいく。
目的地は、ジャパリ図書館だ……
────────────────────────『Wald(森)』end
どうも、次回予告詐欺を平然としている1498です。
(まぁ、図書館少し出てきたし、多少はね?)
毎度のごとく読みにくい文章で、しかも今回のお話に至っては、伏線ガバガバ、Sd.kfz.232について知らないと何も解らないという何とも難解な文章。
ひどすぎる()
途中の分岐道の臨時国際空港や、野鳥公園は自己設定です。本家とは何ら関係ないのであしからず。
感想、アドバイス、質問等々ありましたらどうぞ。
次回『図書館』
今度こそ詐欺では ないです
最後に、一話あたりの文字数って6000字ぐらいがちょうど良いんですかね?
それとも多い、少ないですかね?
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