Bibliothek

ライオン達の情報により、しんりんちほーに入ったロンメル一行。しかし、道中でセルリアンという奇形の化け物に襲われる。が、ロンメルの放った20mm機関砲弾によって倒され一行は再び図書館へと向かった…


お久し振りです(忘れた頃にやって来る~)。

永らく待たせてすみませんm(_ _)m

言い訳しますと4000文字でエタってました(本当にごめんなさい)


少し仕様が変わっているところがあります。

例 アライ→アライグマ


最後に、500PV越えていました。

こんな小説ですが、これからも宜しくお願いしますm(_ _)m

――――――――――――――――――――――

「ここが、ジャパリ図書館か……。」

目の前に聳え立つ建物を見ながら呟く


セルリアンを撃破し終えた後、そのままアライグマの運転で図書館までやって来た。


ジャパリ図書館は、森が少し開けた場所にある花畑の真ん中に建っている。壁に穴が空いていたり、建物を真ん中から貫くように大樹が生えていたりと、SFに出てくるような状態になっているようだが、中にはぎっしりと本棚が詰まっており、様々な本が置いてありそうだ。


ひとまず、図書館の前に車を停める。

図書館に居るらしい博士と呼ばれるフレンズに話を聴くとしよう。


車両から降り、アライグマやフェネックが車両から出てくるのを待つ。


先程まで、腰が震えていた(私のせいだが……)フェネックもすっかり大丈夫そうだ。


二人が出てきたのを見て、図書館へと向かって歩きだす。それにアライグマとフェネックがそれぞれ両隣に付いて歩いてくる。


ヒュン

「!!」

突如、後部上方に何者かの気配を感じる。


とっさの判断で頭を下げる


シュバッ

下げた瞬間、頭上を何者かが通過する


顔を上げたときに、そこには……

二人の小さな少女がたっていた。

羽のようなモノが頭についているのがわかる。

恐らく、鳥のフレンズか……


「どうも、アフリカオオコノハズクの博士です。」

と、二人のうち灰色のコートを着た子が名乗りだす


「どうも、助手のワシミミズクです。」

続けて、茶色いコートの子が名乗る

成る程、知恵の象徴たるフクロウ達二人がここ、図書館で博士と助手として住み着いているわけか。


「エルヴィン・ヨハネス・オイゲン・ロンメル。ロンメルと呼んでくれ。」

名乗られたら、自分も名乗るのが礼儀だろう。

もちろん、自己紹介をする。


「アライさんなのだ!」

「フェネック~!」

アライグマ、フェネックと続けて名乗る。


「それで、図書館まで何の用事ですか?」

博士が問い掛ける


「こーんな帽子を被った奴を追っているのだ!」

「ついでに山の入山許可も貰いたいんだけど~。駄目かな~?」

早速、アライグマとフェネックが要件を告げる。


が、博士達の目が少し険しくなる。

「あれは神聖な場所なのです。」


「入ってはいけないのです。」


「「え~」」

アライグマとフェネックの声が重なる。


「では逆に何故山に入りたいのですか?」

博士達が少し考え込む素振りをした後、そう返してきた。


フェネックに聞いた話だが、ここジャパリパーク中央部に位置する火山は彼女達フレンズにとって、とても神聖な場所で、近づいてはならないという掟があるそうだ。

これに関してはフレンズの基となるサンドスターという物質がどうとか複雑な理由があるらしいのだがここでは割愛する。


では何故その山に入る必要があるのか


それは……

「あの山にお宝があるからなのだ!!」


「宝……?何を言ってるのですか?」

博士達がさらに目を細める

結果はアライグマの説明不足に終わってしまった。


しょうがない、補佐に回るか

「アライが帽子を見つけたとき、そばにいた……ボス(だったか?)が火山に何かが埋まっていると喋ったそうだ。すまないが、入山許可を貰えないか?」


普段の私なら独断専行で火山に行っているのだろうが、『郷に入れば郷に従え』。

このジャパリパークにはまだ解らないことが多くある

ここで独断専行に走れば痛い目を見るかもしれない。

そんな考えからジャパリパークウェイの掟に従うことにした。


「ラッキービーストが……」

博士は私を見つめた後、再び考えるような素振りをする。


「ひとつ、訊いても良いですか?」

「あぁ、構わないが……」

そこに助手と名乗った娘が話し掛けてくる。


助手は少し深呼吸をして、こちらをジッと見据える

「あなたは……ずばり『ヒト』ですか?」

そして、すこし力の籠った声で尋ねられる。

目に力が籠っているのか、つり上がっている。


「あぁ、確かに私は『ヒト』だが……」

余りの迫力に少し後ずさりする。

たしかに私はヒトなのだが、それがどうかしたのだろうか……


「博士、これは料理が期待できそうなのです。」

「それに、面白そうですね。」ヒソヒソ

「3人の話からして、追わせた方が良いのでは?」

「四神の位置も判るかもしれないのです。」ヒソヒソ

「では、そうしましょうか。」

「ですね。」ヒソヒソ


すると博士達が小声で何かを話し合いだした。

流石にここまでは聞こえてこないが……


数分後


話が終わったのか博士達が再び此方を向いた。

博士が深呼吸をする


そして…

「助手との話し合いをした結果……お前達に入山の許可を出すことにしたのです!!」


博士が一歩前に出て、そう言った。


つまり、許可が降りた、ということだ。

「本当なのか!?」

「やったね~あらいさ~ん!」

アライグマとフェネックも喜ぶ


が、博士達はそんなに甘い人物では無かった。


「ただし!!」


今度は助手が一歩前に出てくる。博士と肩が並ぶ。

「許可を出す条件として、りょうりを我々に食べさせるのです!!」


「「「りょうり……!?」」」

「ってなんなのだ?」

「ってな~に~?」


三人して料理ではもってしまった。

といってもアライグマとフェネックは料理が良くわかっていないようだが……


「なぜ料理をする必要がある?」

疑問に思った点を伝える

ここにはジャパリまんという美味しい食料があるではないか……


「普段、我々が食べているジャパリまんに飽きたのです。」

「パークに新しいりょうりという分野を広めたいのです……ジュルリ」


……何ともまぁ、贅沢なことで。

それはさておき、

「……料理くらい自分でやれば良くないか?」

と、思うのだが……


「我々は島の長なのです。」

「我々は忙しいのです。頭に使うエネルギーが常時不足しているのです。」

「なので、りょうりをする暇が無いのです。」

と、博士達が返す。


「今、我々の話に付き合う暇があるのに……か?」

もちろんハッタリだ。

普通、来客には対応するものだろう?

だがしかし、博士達の目が泳ぐ……まさか本当に暇なのだろうか


「まぁ、それが条件だというのなら引き受けるが……食材はあるのか?」


「それなら……」

そういって、博士が指を指す


見ると野菜や米(日本米)やらがいろいろと置いてあった。


「材料はあるだけ使っていいのです。」

「調理場もラッキービーストが整備しているものかまあそこにあるのです。」

「我々を満足させることが出来たのなら許可を出すのです。」


「了解した。」


乗せられた感じもしなくはないが、しょうがない。前にイタリア兵に教えてもらったものでも作るか


料理……といっても簡単で手頃なモノだが。


A few minutes later


まずは何故か車に積んであったトマトの缶詰めを用意する


これでトマトソースを作る。


そして、米の横に置いてあったパスタを用意する

トマトソースを作っている鍋とは別に用意した鍋でこれを茹でて……


Tomato Spaghetti

の完成(大雑把)

所要時間 パスタを茹でる時間+α

一応、あるだけやったが6人前。

われわれが食べても1人分余るが大丈夫だろう。

…………


「これ……りょうりなのですか?」


「ミミズのような細いものが沢山入っているのです」


「スンスン……しかも酸っぱい臭いがするのです。本当にこれ、食べられるのですか?」


文句を言う博士達。

博士達は椅子に座って机を前にしている

その博士達の前に在るのは言うまでもなく先程作ったパスタ……

なのだが、出された料理をミミズといったり食べ物じゃないというのは失礼じゃないだろうか……


「ルールの確認なのです。我々を満足出来たら入山の許可を」

「我々のどちらか一方が満足出来なかったら失格なのです。」


「それじゃあ食べてみるのです」


恐る恐るといった感じでスプーンを手にする博士達


「むむ……」

「滑って取れないのです。」


……フォークを使わずにスプーンで掬って食べようとするとは。


「その右手にあるフォークで巻いて食べるんだが…」

と、食べ方の見本を見せてやる。


「そ、そのくらい知っているのです。」

明らかに動揺した様子で博士が返す。


「ほんとうに博士達はりょうりを知ってるの~?」

そこにフェネックから突っ込みが入る


「うっ……」

「お、お前達を試しただけなのです。」

かなりボロが出ている。

面白いから放置しようか。


……

気を取り直して、博士達がパスタを食べ始める。

やはり使ったことがないのかフォークの扱いに四苦八苦しているようだった。

拙いながらも何とか口まで運ぶ


「……ん、これは!」

「ふむ……」


博士達が唸る

そして、無言で一気に食べ進める


そして数分と経たないうちに見事に一人前あったパスタを数分でペロリと平らげる。


……さて合格か失格か。

博士達からただならぬ雰囲気が滲み出てくる

思わず息を呑む


博士がカッと目を見開く

「おかわりなのです!!」

…見開いてからそう言った。


「……は?」

「聞こえなかったのですか?おかわりと言っているのです。」


「いや、聞こえたが……」


「ならば早くおかわりを持ってくるのです!」


……何故だろうか、頭が痛くなってきた

「わかった。その前に合格か失格か、教えてくれ」


ハッ

「ゴホン……では結果を言うのです。」


これは、忘れてたな。流石に堪忍袋の緒が切れそうだだが何とか堪える。


博士が助手と少しばかり協議したのち、こちらを向く

協議が終わったようだ。


「文句なしで合格なのです。」

そう博士が話す。


……ということは

「入山許可を出すということだな?」


「そういうことなのです。」

「わかったのなら、おかわりを寄越すのです。」


何だかイラッとする態度だが、ここで怒鳴って許可を取り消されるのも嫌なので黙っておく。


「やったのだ!」

「やっぱりロンメルさんはすごいね~!」

アライグマ達から称賛される。

まぁ、許可も下りたことだし、取り敢えずは安心だ。


ぐぅ~


そこに誰かのお腹がなった。

見るとアライグマが顔を真っ赤にしている。

どうやらアライグマから鳴ったようだ。


「安心したら、お腹が空いてきたのだ……」

「そういえば、私もお腹が空いたな~」


「ろんめるさん。アライさんも『ぱすた』を食べたいのだ!」


ふと時計を見ると、長針がピタリと真上を指している

「そうだな。時間的にも丁度良いし、ここで昼飯にするか。」


「やったのだ!」

とアライグマが両手を挙げて喜んでいる。

そんなにパスタが食べたかったのだろうか。

そんなに美味しいものでも無いと思うが……


とりあえず博士達の所へお代わりを運び、アライグマ達の分も用意する。

ついでにフォークやスプーンについて使い方を説明する。


「うーん。難しいのだ……」

「なぁに、そのうち慣れてくるさ。冷めないうちに食べておけ。」

「はーい。」

少々扱いが難しそうだったが、出来ないという訳ではなさそうだ。

二人が同時にパスタを口にいれる

「「!!」」

「お、美味しいのだ!」

「ほんとうだね~。これは美味しいや~。」

「そうか、良かった。」

ハァと息を吐き出す。

私の料理(といっても茹でたり、ソースを作ったりしただけだが)は好評だったということだ。


「あれ?ろんめるさんは食べないのか?」

ふと顔を上げたアライグマがそう尋ねてくる


「いや。まぁ、後で食べるが……」

もうパスタも全部出してしまった。

後で、車内の糧食でも食べれば良いか。

そう思い、アライグマにそう伝える。


するとアライグマが不機嫌そうにして

「むぅぅ。皆で一緒に食べないと楽しくないのだ!」

と言う。


「だが、もうパスタは残ってないしな……」

確かにアライグマ達の分を考え、予め多く茹でてはいたのだが、博士達から『おかわり』が要求されるのは予想外だった。


「それなら、私の分を分けてあげようか~?」

と何故かニヤニヤしながらフェネックが言う。

「アライさんの分も少しあげるのだ!」

アライグマも便乗する。


「いや、アライ達の分はアライ達の分だ。君たちで食べてくれ。」

「でもそれじゃ~ろんめるさんが……」

「なに、自分の分は新しく用意すれば大丈夫だろう」


そう言ってさっさと厨房に向かおうとする

「あれ~?さっき全部使っちゃったんじゃないの~?」

が、後ろからフェネックにそう言われる


「そういえばそうだったな……」

では、どうしようか……

いつもの軍用糧食を食べるしかないだろう。

よくよく考えたら別に同じものを食べる必要は無いはずだ。


「まぁ、無いものはしょうがない。いつもので大丈夫だろう。」

そう言って、二人と同じ席に付く。

軍用の携帯糧食といっても乾パンとか缶詰といったものだが、腹の足しにはなる。

「じゃあ、頂くか。」


そう言って、乾パンを一噛り。

相変わらずのしけた味が口一杯に広がる。

直ぐに口の中の水分が持ってかれるので、コップの水を一気に飲み干す。


「アライさ~ん。頬っぺたにソースがついてるよ~」

「えっ、どこに付いてるのだ?」

乾パンと格闘していると、隣からそんな声が聴こえてきた。いや、隣にフェネック達が居るのだから声が聴こえて当然なのだが……

見ると、アライグマの頬に赤いトマトソースが付いていた?


「じっとしててね~」

そう言うとフェネックは、アライグマの頬っぺたに付いていたソースを指で掬い取る。

「アライさ~ん、取れたよ~!」

「ありがとうなのだフェネック。」

「どういたしましてなのさ~」

そう言うと、トマトソースの付いた指を舐める。

「う~んこの酸味が良いね~。」

惚けた顔をしてそう言った。


…………私は一体何を見せられているのだろうか?

その何とも言えない甘ったるい空気から気を逸らすため、残っていた乾パンを口に放り込む。

やはり、口の中の水分を殆ど持っていかれる。

その口の中の異物乾パンを水で一気に喉の奥へと押しやった。


「ロンメルさ~ん。」

「なんだ……?」

不意に隣のフェネックから話し掛けられる。


「ちょっと、こっちを向いてもらえるかな~?」

フェネックからそんなことを頼まれる。

何故、向く必要があるのだろうか……

「何だ……?」

疑問に思いながらも言われた通りにそちらを向く。


「はい、あ~ん」


「……は?」

目の前に差し出されたのは、フォークに巻かれたパスタ。


「ん~?」


どうやら食べろという意味らしい

素直に、そのまま食べる。


「どう~?」

「あぁ、美味しいぞ。」

そこまで言ってから、フォークを渡してもらえば良かったと気付く。

だが、もう食べてしまったからには遅いか……


「ね!美味しいでしょ~?」

フェネックにどや顔でそう言われる。

「フェネックが作った訳じゃないのに何故そんなどや顔なんだ……!」

思わずその顔に吹き出してしまう。


「なんで笑うのさー、ひどいよ~」

そう言いながらフェネックも笑いだす


「むむっ!アライさん抜きで何を笑ってるのだ!アライさんも混ぜるのだ!」

そこに、一心不乱にパスタを食べていたアライさんが参入する。

どうも何故笑っているのか判っていないようだ。(私もよく判っていないが)


フェネックと顔を見合せ、また吹き出してしまう。


「あぁーまた笑ってるのだ!アライさんも気になるのだ!」


ワイワイガヤガヤ


「うるさいのです!少しは静かに食べられないのですか……!」


「「「ごめんなさい(すまない)」」」

…………

図書館 真横

装甲車


カチッ

ピッー

『ザザッザザッ ……はラッキー……スト。聴こえたら……してください。……返すよ。こちらはラッキービースト。聴こえたら返事を……』


────────────────────────

『Bibliothek(図書館)』end


図書館要素ほぼ無いって?

知らん()


まぁた、適当な最後になってるよ……


というわけで、料理はパスタにさせました。(何故に)

理由としては、まぁ歴史的要素(軽め)から来るのですが、ロンメルが活躍した北アフリカ戦線。

実はドイツ軍だけでなく、イタリア軍も多数参戦しており、そこで出されたパスタが絶品だったというお話からです。

ロンメルが食べたのか……ということは判りませんが、恐らく食べていてもおかしくはないのかなぁ~と

いうことで登場させました。

パスタといえばトマトスパゲッティ。異論は認めません。


そういえば、何気にロンメルはラッキービーストに出会っていないんですよね……

他の方の作品では序盤で大体合流させてますが……

ロンメル閣下もラッキービーストと出会う日が来るんでしょうかね~


やっと物語も中盤、投稿が遅くて申し訳ないです。

次回もなるべく、なるべく早く書けるように頑張りますので、どうか気楽にお待ちください


質問、疑問、アドバイス、感想ありましたら気軽にどうぞ!

筆者が喜びます()


次回『仲間』


どうでも良い話になるけど……ロンメル閣下の性格変わりすぎでね()

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