6.7:モンタージュ理論 まとめ
ここまでスキップ気味に、『モンタージュ理論的』な例を見てきました。
私見では、『キャラのグループ化』と並んで、ヒットキャラクターを生むには不可欠なテクニックだと考えています。
次の3つの商品名を、見比べてください。
どれが、一番、美味しそうでしょうか?
1:コーンスープ
2:じっくりコトコトにこんだコーンスープ
3:北海道100%本格ポタージュ
おそらく、大半の人が、2番か3番を選んだのではないでしょうか?
『コーンスープ』と名乗っただけでは味気ありません。
『手間暇をかけている』『産地にこだわっている』ことを示すのが肝心です。
過去に、北海道産の食品のおいしさを体験したことがある人であれば、【北海道100%】というセールスアピールは、垂涎ものでしょう。
美味しそうなしずる感(※1)があるキャッチーな商品とは、食べる前から美味しそうな連想をたくさんさせてくれる商品を指すのではないでしょか。
それは、萌えヒロインも同じです。
『この娘と仲良くなったら、こんなデレ方をしてくれるに違いない』
『こんなデートイベントがあるに違いない』
という、楽しい想像をさせてくれる存在であること。
『彼女はこんな弱点を持っている』→『俺が主人公として、きっと支えられる』→『ヒロインと仲良くなれる』という優越・安心をプレイヤーに抱かせる。
または、『優しいという設定のヒロイン』→『優しくする対象のキャラクターがないと設定倒れになる』という、フォローの面も含めて。
理想的なキャラクターとは、デザインそのものと2・3行のフレーバーテキストを見ただけで、多くの魅力を語れるものだと考えられます。
1年間でインターネットでやり取りされる情報の量は、地球上の砂浜の砂粒の数より多いといいます。(※2)
その中で目だち、生き残るためには、一目で多くの魅力が伝わることが必須。そのためのテクニックとして、1+1の情報で3や4まで語ることのできる、『モンタージュ理論的』な手法は、うってつけといえましょう。
(※1)しずる感
主に広告業界の用語。『肉汁がしたたるステーキ』『よだれがしたたる』ように、食欲や購買意欲をあおる、美味しそうな魅力のこと。特に人の五感に迫る、直感的なものを指す。
(※2) 2010年の時点で、1ゼタバイトの情報が年間でやり取りされていたというのが、その根拠。1ゼタバイト=10垓バイト。
数字で書くと、1,000,000,000,000,000,000,000バイト。
ビットだと、8,000,000,000,000,000,000,000ビット。
わけがわからないよ。
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