6.5:【モンタージュ理論的な実践編】4 プリングルズ パーティピザ味

 プリングルズといえば、アメリカのケロッグ社が発売し、世界140カ国、50年以上に渡って愛される人気のポテトチップ。(※1)


 関西限定のたこやき味など、様々なフレーバーが用意されている本商品ですが、2018年12月に『パーティピザ』味を期間限定で発売しました。


 注目すべきは、そのフレーバー名。

 パーティという単語と、ピザという単語を組み合わせた造語です。


・『パーティ』味だけでは、さっぱり意味が分かりません。

・『ピザ』味だけでは、あまりに平凡すぎて、訴求力がありません。


 しかし、2つの単語が合体して『パーティピザ』味となった瞬間、


 【パーティには欠かせない、宅配ピザの存在】

 【お待ちかねのピザのLサイズが、やっと届いた!】

 【受け取った箱からもれてくる、アツアツとろけたチーズの良い匂い】


 というような、美味しい連想が始まるのではないでしょうか。

 また、12月といえば、クリスマスに忘年会。翌月にはお正月と、パーティや親せき・友人の集まりが、多い季節です。


 【今度、家でパーティするから、ポテチを買っておこう】

 【パーティとは縁遠い生活を送っているけど、せめて気分だけでも味わおう】


 という需要も喚起できます。

 『プリングルズ パーティピザ味』はまさに商品名に、発売時期まで計算に入れた、モンタージュ理論的な手法の好例といえましょう。



(※1) プリングルズ

 P&G社のブランドだったが、現在はケロッグ社が引き継いでいる。

 じゃがいもをスライスするのではなく、じゃがいも粉を固めて作る――いわゆる、成型ポテトチップスの元祖。

 その製造方法から、ポテトチップと呼んでいいか否か、何度か法廷で争われているらしい。(関税率とか、商品イメージとかに影響するため)

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