2.2:【記憶力の秘密】 チャンク

 この問題を解決する方法には、チャンクの考え方が重要となります。

 チャンクとは、情報のまとまりの単位のことです。


 たとえば、


 猿・犬・鳥  …… は3チャンク。

 7・A・父・トランプ・山  …… は5チャンクです。


 マジックナンバー7±2によれば、5~9チャンクを超えると、人は、一瞬で記憶するのが難しくなり、拒絶反応が出るといいます。


 しかし、このチャンクの枠は工夫によって節約できるのです。

 例として、対戦格闘ゲームのパイオニア『ストリートファイター2』のコントローラーを考えてみましょう。


 ストリートファイター2では、レバー1本と、6つのボタンでキャラクターを操作します。



【ストリートファイター2 のボタンの種類】

小パンチ、小キック、大パンチ、中キック、大キック、中パンチ


 この場合、6つのボタンの意味を覚えるためには、6チャンクを必要とします。

 しかし、


 ・上の列にあるボタンは、パンチボタン

 ・下の列にあるボタンは、キックボタン

 ・右にあるボタンほど、強い攻撃が出る


 というルールを理解できれば、たった、3チャンクで、ボタンの配置が理解できるのです。


 ……そう、もうわかりますね?


 『艦これ』では、同じように、『姉妹艦』と、『艦の大きさのカテゴリー(駆逐艦・戦艦など)』の2つの概念を浸透させることで、少ないチャンクで、キャラクターを記憶できるようにしたと考えられるのです。

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