◆1章:『艦これ』のキャラ設計を学ぶ!◆

1.1:人気コンテンツは、キャラクターの関連性が育てる!

 人気キャラを生むコツを知るために、まずは先人に学びたいと思います。

 戦後から、コミック原作者として一線で活躍し、1977年より劇画村塾(※1)を開いて、数多くの人気クリエイターを育て続けてきた小池一夫氏は、


「漫画はキャラクターである。キャラが起ってれば、漫画はヒットする」(※2)


 と、ご自身が提唱されているキャラクター原論の中で、述べています。

 そして、こうとも、言及しています。


「キャラクターは一人では起きない」(※2)


 すなわち、「ライバル」「ヒロイン」「仲間」「家族」 「ラスボス」「守らなければならない対象」etc…… これらの引き立て役がいることで、主役は輝く。


 また、その反射を受けて、魅力的なわき役が育つ……。


 人気IP(※3)に育つような、キャラクターの誕生には、キャラクター同士の関連性が、不可欠だというのです。


 そして、このキャラクターの関連性を、ソーシャルゲームで初めて積極的に取り込み、大成功をおさめたのが、かのオバケIP、『艦隊これくしょん(以下、艦これ)』でした。



(※1) 劇画村塾

 著名な卒業生に、『堀井雄二(ドラゴンクエスト)』、『さくまあきら(桃太郎電鉄)』、『高橋留美子(うる星やつら・犬夜叉)』、『原哲夫(北斗の拳)』、『板垣恵介(グラップラー刃牙)』、『椎橋寛(ぬらりひょんの孫)』、『澤井啓夫(ボボボーボ・ボーボボ)』など他、多数


(※2) 小池一夫のキャラクター新論 7P、48P


(※3) IP

 intellectual propertyの略。知的財産。

 キャラクタービジネスの商材になるコンテンツ・キャラクターのこと。

 例えば、人気ライトノベルを原点として、アニメ・ゲーム化、キャラグッズなど、色んなメディアで展開した場合、『人気IPである【ライトノベル名】』と表現したりする。

 『IP化』というと、広くキャラクタービジネスができる=人気作に育つという、意味に。

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