1.2:【艦これに学ぶ】 キャラクターの配置、愛宕編
艦これといえば、日本海軍の艦艇をモチーフに、擬人化した女の子が登場し、今も人気キャラが登場し続ける、IP。
その最初期の人気キャラといえば「愛宕」「金剛」「島風」あたりでしょうか? まずは、この3人に焦点を絞って、爆発的ヒットの秘密を復習します。
まず、愛宕の例。
この愛宕というキャラ自体は、
【愛宕の持っている属性】
・巨乳
・金髪
・ボディラインが出る軍服のデザイン
・人気のフェティッシュ「おねショタ」をほうふつとする、キャラクターデザイン
以上の推しポイントが、ユーザの琴線に触れ、お絵かきサイトpixivのファンアートをきっかけに、話題になりました。
でも、このままではキャラクター単発の小さな人気で終わってしまいます。
ここで、登場するのがキャラクターの関連性です。
実は、愛宕には、そっくりな姉妹艦・高雄というキャラクターが居たのです。
姉妹艦とは、戦前のモチーフになった艦艇にもあった概念で、艦これでは、さらにそれを『姉妹』という部分を活かして脚色を加えました。
【愛宕と高雄の共通点】
・姉妹艦は、同じモチーフのコスチュームを着ている
・全員、同じ原画家がキャラデザをする
・全員、同じ声優が担当する
など、2人の間に共通するデザイン性を持たせることで、徹底的に、姉妹らしさを演出しました。
そして、これによって、いくつかの相乗効果が生まれたのです。
1:愛宕から高雄に興味が移る
魅力的なキャラクターと、よく似た別のキャラが存在すると聞いたら、ユーザは、新しいキャラにも興味が惹かれずにはいられません。
2:ファンアートがはかどる(3P編)
親子丼、姉妹丼、ハーレム、3Pというスラングがあるように、萌えゲーユーザは、似た者同士のヒロインをセットにして、男女の仲を深めるシチュエーションを、とても好みます。
実際に、イラスト投稿サイトpixivでは、愛宕と高雄がセットで描かれたファンアートが多数、投稿され、愛宕たちはさらに注目を集めました。
3:ファンアートがはかどる(ボケとツッコミ)
日本の伝統芸能『漫才』に、ボケとツッコミがあるように、違う性格を持つ者同士が、チームを組むことは、面白い話や、シチュエーションを生む土壌を作るのに、とても有効です。
愛宕と高雄は、見た目を非常に似せながら、
愛宕:どちらかというと天真爛漫で、自由人
高雄:どちらかというとマジメで、かたぶつ
という、差別化がなされています。
これによって、ぼける『愛宕』に、つっこむ『高雄』というように、ユーザや開発者自身が、ゲーム内・ファンアート・同人誌で、お話を作りやすい、下地を作ることができました。
4:コンプリートしたくなる
AとBとがセット商品であれば、Aが手に入れば、Bもなんとかして手に入れたくなるのが、人情というもの。
キャラクターをコンプリートするというモチベーションが、ゲームの熱中度や、関連グッズを買い集める動機となるのです。(※1)
5:キャラクターを記憶しやすくなる
これは、2章で後述します。
(※1)コンプリートしたくなる
いわゆるコンプリートガチャ(絵合わせくじ)の禁止により、ソーシャルゲームでは、販促キャンペーンそのものには組み込めない。が、それでもメリットが大きいというのが本文の主張。
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