第17話【凸凹】

美しい空も世界の切り先が同じなだけで

青く見えるなんて信じれば価値は有るでしょう

膿み出されるまで吐き出す息、

天に無き塗れるのは私の小さき藍の衣です。

背を奮わせるのは淋しいから

懐く腕は凍らせる雪が

滔々

募る木の実を皆掻き積めて踏まんと越える行方に。

常に陽は満ちて、知っているから耐え忍ぶ寂しさ、

輪廻の鎖に繋がれ私たちは日々愛を貪る。

枯葉が雫で濡れ腐り堕ちた底に嫋やかな褥を築く

皆心穏やかに根底に刻まれた想いに

安堵して汚れていくのでしょう。

焼ける白き逝きは焦がしては灰のイロに

散々闇は桜色吐き はらり おちましょう

忘れたい思い出だけ残してお恵みをいだければ

其処はもう洛縁です。

雫落とすことはありません

底が見えていれば安住の知で高く仰げるでしょう。

翔いたら空に飛べますか、いいえ、もういいんです

夢の中で抱きましょうよ。

乞割れしまえ場

壊れてしまえ世

刃櫛はでこぼこでこそ降霜は未知に霞む

時に悔い尽しても月に満ち欠ける空

幾度も行けども同じ場所にはハマらない

星海は多面体のピース

己を信じるように平に注ぎ

零した欠片は大好きなことばかり落ちて。

違うことなく此処に廻って来たのです

そこは屹度春、

もう眠いのでさよならを、

この記憶におやすみをいたしましょう

そうして逆理を違えずに繋いでゆく必然。

包が無く冥い

狭き日々をあいで覆い各詩ながら。

誰でもないムシクイの彼方たちは

個々でウタを奏で続ける。

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