第5話


『.....あ....』



思い出した.....私、未来をかばってトラックに跳ねられたんだ.....



それで....そのまま.....




「鈴...っ!ごめん鈴.....っ!!」




その場に泣き崩れている未来の姿を眺める。




『.....泣かないで』



未来は何も悪くない。




「私、の....せいで....っっ!!」




『違う...』





重いたい体を引きずって未来に近づく。





『...未来!』




そして、いつもより小さな背中に抱きついた。





「...――!」





すり抜けるかな、と思ったけど...そうでもないみたい。

直接触れるのとは違うけど、かすかに温もりを感じる。




「....え...何.....」




未来も、分かるのかな?もう少しこのままでいたい....でも....






(....体が...)





どんどん重くなっていく。手も透け始めた。





(....このまま消えるのかな...)





どうせ消えるなら....最後なら....







.....お願い、伝わって......







『.....未来.....』

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