第7話 退院して学校へ

 翌日、俺は、無事に退院することが出来た。

 そして俺は、久しぶりの制服に身を包み高校指定のバックを肩にぶり下げ家を出る。






「行ってきまぁ〜す。」

「お兄ちゃん、行ってらっしゃい。くれぐれも無理はしないようにね。」

「ああ、分かってるよ。麗華も気をつけてな。」

「はーい!」






 俺は、可愛い妹にそう言って家を出た。

 家から学校まで徒歩で約10分。結構近くて助かるわ。

 俺は、一人で学校まで歩く。

 そして俺は、昨日太輔に教えたれた組の教室に入る。

 ちなみに俺のクラスは4組で太輔も同じクラスと言っていた。

 それとるみちゃんも俺たちのクラスの担任と聞いた。やっほー!






「みんな〜!おはよう!始業式からいきなり休んだ上ノ原 陽一でぇ〜す!1年とおなじクラスのやつは2年でもよろしく!2年からのやつは、これからよろしくな!いい一年にしようぜ!」






 俺は、元気よく教室中に響くようにそう言った。

 こういう時は、元気が一番だよな!うんうん。

 俺は、ギリギリに来たのでみんなもう揃ってるようだった。





「おう!よろしくな!陽一!」

「おお!太輔、昨日はサンキューな!」

「ああ、今日ジュース奢ってくれぇ〜!」

「断る!」





 みんな、俺と太輔のやり取りで笑いが起きた。

 と、その時、俺に一人の女の子が駆け寄ってきた。






「陽一君!大丈夫なの!?入院していたって話聞いたけど!?」

「優奈か。うん、全然大丈夫、大丈夫。この通り!」





 俺は、そう言ってスクワットを始める。元気そうに見えるっしょ?

 俺の近くに駆け寄ってきた女の子は、|水城 優奈(みずしろ ゆうな)。俺とは幼稚園からの付き合いだ。まぁ、幼なじみだな。






「良かった、本当に大丈夫みたいだね。」

「ああ!それより他に知り合いはいないのか?」

「あ、それなら、あっちの方に康介君と麻美ちゃんがいるよ。」

「あ、本当だ。」





 優奈が指さした方向を見ると1年の時に同じクラスで結構仲良くなった|香取 康介(かとり こうすけ)と|香取 麻美(かとり まみ)。

 名前の通り二人は双子だ。





「お〜い、康介、麻美、久しぶり!」

「ん?おお、陽一か。あっちでなにか騒いでると思ったらお前だったか。久しぶりだな。」

「入院してたんだって?聞いたよ、るみちゃんから。でもその様子なら大丈夫そうね。」

「ああ、もう大丈夫だ。」





 と、俺たちが話しているところに太輔もやってきた。






「よーし!陽一の退院祝いだ!今日の放課後、いつもの喫茶店に寄って帰るぞ!」

「おお!悪いな!」

「ふふっ、久しぶりだね、そうやって騒ぐの。」

「ああ、そうだな。」

「この5人がまた同じクラスになれたことに感謝ね。」






 俺たちは、それからは放課後の予定で騒いだ。

 そしてその後、朝のホームルームを始めるチャイムがなると同時にるみちゃんがやってきた。






「みんな、揃っているようですね。それでは、朝のホームルームを始めます!」





 その合図に学級委員が号令をかける………のだが






「あ、まだ学級委員決まっていませんでしたね。」

「もー!るみちゃんのおっちょこちょい!」

「ごめんなさいー!それと、陽一君!るみちゃんって言わない!」






 るみちゃんのおっちょこちょいでみんなが一斉に笑い出す。

 るみちゃんは、それを止めるのに必死だ。

 でも、みんな、本当にるみちゃんが困るとすぐに笑うのをやめた。

 そしてその後、出席番号1番の人が号令をかけ、無事にホームルームが終わった。





「あ、陽一君、ちょっと来てください。」

「ん?なになに?」

「先生は友達じゃないんですから敬語を使いなさい!」

「は〜い、それで何?」

「だから敬語を……もういいです。陽一君、具合の方はどうですか?」

「あーそのことですか。もう大丈夫ですよ!」

「今は、大丈夫でもいつ悪くなるか分からないのだから今日は安静にしていてくださいね。もし、急に具合が悪くなったら友達か先生に言って保健室に行くことよ。分かった?」

「は〜い!分かりました!」






 るみちゃんは、俺の返事を聞くと「それでは」と言って去っていった。

 ったく、大人ぶっちゃって。





「痛っ!うぅ〜」






 あ、転けた。

 本当にあれが教師なのだろうか?まぁ可愛いけいいけど。

 許嫁にするならあんなツンデレな幼女より幼女体型のおっちょこちょいのるみちゃんとかがいいな〜。

 その後、何事もなく授業を全て受けて放課後になった。





「はぁ〜、疲れたぁ〜。いきなり6限は長いわ〜。」

「だね〜。」




 俺は、体を伸ばして授業で凝った体をほぐす。






「陽一、水城、そろそろ行くぞ!もうお店には行くって伝えてあるから。」

「おお!準備がいいな!助かるぜ、太輔。」

「ま、伝えたのは俺じゃなく麻美だけどな。」

「なんだよ!」

「ほら、二人は先に校門で待ってるからもう行くぞ!」

「おお、分かったよ!」






 俺たちは、教室から出て校門へ向かい康介と麻美に合流してからいつもの喫茶店へ行った。

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