終戦




 昭和三十五年 夏



 ソビエト連邦軍は日米満中韓の同盟軍に各地で押されつつも、未だ完全に諦めるそぶりは見せなかった。

 この頃、世界の情報網は日々発達しており、同盟軍の兵達の士気の低下に伴う数々の犯罪行為や、モラルの低下が疑問視され、特に戦力の中心となる日本や米国では政府に対し撤兵を求める声が日に日に高まっていた。




 そして、そんな時期にあって日本国首相佐武護も兵達のモラルや士気の低下を懸念し、前線視察を行い、兵達の鼓舞を図ったが前線の将兵達からしてみれば批判的な意見も多く、あまり意味の無いものであった。




 遂には、この年の暮れに日米両政府が戦争遂行不可能、撤兵を発表した事で、中国軍や満州軍もこれ以上の戦争継続は不可能と判断。ソ連軍もかなり疲弊しており、撤退する同盟軍に思うような追撃は行えず、同盟側がソ連側有利な条件で和平に応じ、遂にこの翌年、長く続いた極東での戦いは正式に終わりを迎えたのであった。













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ATW 侑李 @yupy

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