攻撃開始



 昭和三十四年 一月



 日本ではまだ正月の松の取れぬ頃。満洲国軍から平壌の日本軍、韓国軍、米軍、中国軍合同司令部に情報が入る。



 ワレ、ソビエトグンノホウゲキヲウク。



 この第一報を受けた各国は直ちに各軍に出動を下命。

 韓国軍、日本軍、中国軍は自国領内への攻撃を危惧し、それぞれ陸空軍部隊を分散配置。空からの攻撃も想定し、迎撃体制を整えつつあった。



「満洲国軍の現在の損害状況は?」



 日本国首相佐武護は、緊急安全保障会議を召集。各国大使館協力のもと、三軍長官と共に作戦指揮に当たる。



「はっ、現在満洲国軍はなんとか善戦しておるものの、数に関してはかなり劣勢で下手をすれば敵は哈爾濱まで・・・・・・」



「そうなる前に、援軍を急がねばな・・・・・・」



 その頃、満洲国領内では正に激戦が行われていた。

 ソ連軍の絶大な火力と、大規模な航空支援。それに日米軍の対応の遅れもあって、満洲国軍は徐々に追い詰められていったのである。

 そして、やっと中国軍部隊が満洲国領内で展開を開始した頃には、ソ連軍は哈爾濱へと迫りつつあった・・・・・・




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