開戦
昭和二十六年 六月廿日
日本海側のいくつかの都市がソビエト空軍による爆撃を受けた。幸い、最も恐るべき核爆弾なんぞを積んだ機体はいなかったが、それでも決して微々たる被害とは言えなかった。更には、その空戦の最中にソビエト連邦は日本国政府に対し宣戦布告文を叩き付けたのである。最後通牒すらもなく、外交交渉を粘り強く行うつもりであった日本政府にとっては正に青天の霹靂であり、すぐ様対応に追われる事となった。
翌日
「今般の事態に際し、既に韓国軍、満州軍、国府軍は我々への協力を申し出て来ております」
吉田茂首相兼外務相が緊急記者会見で事の次第を説明する。
「我々日本政府としては、今次のソビエト赤軍による侵略的行為、そしてそれに伴い韓国や満州、中華民国各政府をも巻き込んでしまった事を極めて遺憾に思い、国際連合へ提訴致しまして、米英仏へも働きかけを行っておるところであります」
ソビエト空軍の日本本土爆撃、そして突然の宣戦布告にソビエト連邦は国際社会から非難を浴び、ソビエト連邦は国際連合を除名処分となり、米英仏はすぐ様日本、韓国、満州、中華民国への協力を約束した。
英仏は第二次世界大戦の傷からの国内復興を優先したいとして、大きな支援は行えなかったものの、米国の支援だけでも、日本は充分戦える道筋が見えた。
そして、日本政府がソビエト連邦政府に宣戦布告し返すのに前後して、大韓共和国と満州国政府、中華民国政府もソビエト連邦へ宣戦を布告。
ここに、日韓中満の東亜連合軍とソビエト連邦との戦いの火蓋が切って落とされたのである。
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