第2話

 お様の幼少から続く婚約の関係で結ばれた男性は大国の王子様だった。

 英雄の子孫と王子様の婚姻は政略的な背景を想像させる。

 婚約者に恋する気持ちは抱けないが役目と考えて結婚を受け入れていた。使命を捨て恋に走りたい憧れは無い。


 婚姻を結ぶ直前に誘拐されたお様は監禁され、強引に望まぬを孕まされた。

 腹の中で暮らす存在を憎めず愛おしい感情を抱き始めた。

 祖国の敵、魔獣を愛する裏切りを罪と捉えながら、愛する事を辞められない。

 誘拐犯に我がが渡ったら戦争の道具にされる……と考え、自分が育てなければと思った。

 誘拐犯たちは我がを聖獣と呼んでいる。刷り込まれた感覚を変えるのに時間はかかったが産まれる前には間に合った。

 幼少から聞かされた忌まわしい魔獣とこれから産まれる子供を同じと思いたくない。

 人間よりも早く産まれた我が子は伝え聞いた魔獣の様に獣の姿をしていた。

 聖獣を欲する魔騎士魔術師が信用できず我が子と触れさせぬ様に威嚇していたが、聖獣(赤ん坊)の世話を経験していない事から上手く出来ず、大切な我が子を守るため仕方なく魔騎士魔術師へ手伝わせてあげた。

 過保護でお堅い魔騎士と事あるごとに教育方針で喧嘩をしているが、育児に関心が無い魔術師からは傍観されている。


 魔騎士=聖騎士。魔騎士は大国視点、聖騎士は聖国視点。

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