第12話 奴隷解放その2

 美少女奴隷達の諸々を済ませて再度帝国へ。


 魔族の美少女、赤髪セミロングのオッドアイ、ティリダと世間知らずのお姫様、金髪碧眼の清楚系美少女アリアを家に連れて行き事情を説明しているとニーナにポカリと頭を叩かれた。

 養子として引き取る事になり二人とも妹に。

 妹になった瞬間ニーナが暴走してティリダがグチョグチョのドロドロに溶かされてしまった。

 ニーナは兄弟姉妹フェチという事が発覚した。だからアマテもやられてたのか。納得。

 アリアは母さんにヒヨコの様にくっ付いているのでニーナの魔の手から逃れている。

 アリアは娘のナージュのほっぺをプニプニする事が日課でその度に「子供、欲しいな」と俺を見ては顔を赤くしている。

 アリアは美少女だが俺にはその気がまだ無いので保留しておく。

 というかアマテが先だ。

 ニーナも二人目を欲しがっているのでしばらく先の話だな。

 とりあえずアリアが学校を卒業したら話し合おうと言っておいた。

 アリアは顔が真っ赤になって倒れた。

 妄想し過ぎ。


 猫獣人とドワーフは村長の家で暮らしている。

 村長の料理の腕はプロレベルなのでそこに惹かれたかな。

 ドワーフの美少女、ドリーは包丁や鍋を作り村中で愛用され、猫獣人のキャンテはハンターになり主に魚や鳥を捕まえては村長に料理をねだっている。


 鬼娘の紅姫は命令通り真面目に畑仕事などをして休日には村娘をナンパしては玉砕している。

 たまにイタズラで幼女達に胸を揉まれて凄く嬉しそうにしているのでまぁ、良いだろう。

 ちなみに男が近ずくと子供でも殺意の波動で失神させられるので、うちの地味な父親と村長以外では俺しか近寄れない。


「まずは資金稼ぎだけどカジノは出禁だから冒険者登録するかな。商人ギルドでもいいか」


 何だかんだと帝国へ戻るのに時間が掛かった。

 妖精のリリーとエルフのエス、それとアマテまでもがお目付役として付いて来た。

 ニーナの命令なので仕方ない。


「うふふ、ジュース君と新婚旅行だね」

「二人ほどお邪魔虫が居るけどね」

「何よ? その年で結婚して二人も嫁が居て子供もいる、あなたの方がよっぽど非常識よ」

「ジュースって節操無し? ま、妖精には関係無い話しだけどねー」

「妖精でもやる時はやるけど?」


「「「…………」」」


「ぐおおお、お前ら手加減しろよおおおお」


 ボコボコに殴られた。

 身体を大きくする魔法があると弁明したら更に殴られた。

 リリーはちょっと嬉しそうだった。


「登録お願いします」

「はいはい、こちらのレベルチェッカーに手を置いてくださいね」


 帝国の冒険者ギルドは白が基調の内装で清潔感がある。

 魔導機で作られた建物は最早SFだ。


「レベル50? その歳で結構頑張っているのね! 君はCランクの依頼から受けられるわよ」


 ふむ、ゴブリン軍団の掃討とかしてるからな。

 アマテがレベル12、エスが25、リリーは3だった。


「では良き冒険者ライフを〜」


 依頼掲示板で金払いの良さそうな物を探すと街のドブ掃除がヒットした。

 掲示板も魔導機である。


「これで良いか」

「えー、モンスター討伐とかじゃ無いの?」

「掃除って……」

「臭いのきらーい」

「別にみんな一緒にやるとは言っとらンッ!?」


 アマテに蹴られた。


「せっかくの新婚旅行なのに……」

「おっと、それはすまん。考え無しだった。じゃあ、アマテが選んでよ」

「掃除で良いよ、もう」

「アマテ、ぎゅー!」

「きゃっ!? ダメ、みんな見てるから! 恥ずかしいよ……!」


 顔を赤らめちゃって、アマテはチョロ可愛い。大好き。


「ゲス顔がよく似合ってるわよ」

「ジュースはダメ人間か」

「うるへー、本人が幸せならそれで良かろうなのだ! ガッハッハ!」

「ジュース君、そろそろ、離して、心臓バクバクして、このままだと死んじゃうよぉ……」


 アマテ可愛すぎだ! 愛してるぞ!



 ドブ掃除へやってきたのでクリーンでパパッと清掃。

 そんな感じで指定されたドブを全部綺麗にし終わったので報告。


「あら、もう終わったの? もしかしてズルしちゃった?」

「してませーん、確認してくださいよ」

「ふふ、冗談よ。依頼中は監視の魔導機が張り付いてるから何か不正があればすぐにバレて登録抹消よ? これが報酬ね」


 ふむ、何か飛んでいるなと思っていたが監視されていたか……グフフ。


「その監視ってお姉さんが確認しているんですよね?」

「ええ、そうよ。依頼を申請した窓口の職員が監視する事になっているわ」

「だから窓口が多かったのか、なるほどねぇ」


 アマテと羞恥プレイいける!


「あだッ!?」

「怒るよ!」

「ごめんなさい」


 すぐ顔に出ちゃう俺の悪い癖でアマテにバレた。

 うっかり発言だけでなく表情も気を付けねばな。


 さて次、行ってみようか。


 金熊捕獲、報酬応相談。


「これ、依頼主が国になってるね」

「ほほう」


「金熊ですか、最低でも報酬に10金貨は出ますね。無傷で捕獲出来たら300金貨は下らないですよ」


 金を保有した毛が生えて来るのでこの値段らしい。


 マップで生息地を確認。

 10頭も集めれば良いか。


 生息地の竹林へ転移で移動し捕獲、猫ぐらいの大きさなのに何トンあるんだってぐらい重い!

 転移無しじゃ、やってられない依頼だわ。


「とりあえず一匹捕まえて来ましたよ」

「え? 嘘、監視、巻き戻し……消えた! あ、あなた、何者なの!?」

「転移出来るんすよ」


 受付のお姉さん、口をあんぐりと開けているのでクリエイトフードで飴ちゃんを入れてあげた。


「甘い……って、どどどどどどういう事なの!? 転移!? 転移出来るって!? え、えええええええ!?」

「落ち着けリラックス」

「はぁ、はぁ、すみません。取り乱してしまって。でも転移ってあの誰もが夢見る魔法の極致ですよね? 何で君みたいな子が?」

「ナイショ!」

「ブー! ブー!」


 お姉さん口を膨らませて可愛いな。

 アマテも口を膨らませて対抗し始めた。可愛い!

 君たち俺を悶死させる気か?


「金熊の買取してくださいよー。ほらほら、無傷で元気に生きてますよー。500金貨はいけちゃうんじゃないかなぁ?」

「うー! 1000金貨で買い取ります!」

「おぉー、太っ腹!」

「せ、せん!? お、おおおおお金持ちだよジュース君!」

「この方の異常性は無視するのが一番よ……」

「……ちょっと、本気で人間との結婚を考える」


 大金なので銀行に口座を作って振込になったけど即下ろした。

 帝国に信用は無い。


「そんな大金持ち歩いて大丈夫かな?」

「インベントリに入れとくからへーきへーき」

「く、空間魔法の!? くっ、驚きませんよ! 驚きませんとも!」

「なぁ、ジュース、私と結婚して欲しいなぁ、なんて……」

「良いぞ」


「「「え?」」」


 3人目の嫁、誕生の瞬間である。


「やっぱりハーレム増やすんだね……」

「まぁね。でも次はアマテだからニーナ以外とはしないよ」

「それはそれでちょっと悔しいんだけどね」

「キスする?」

「……する」


 チュー。


「はぁ……こんなのと結婚することになるとは……ま、楽して暮らせそうだし良いか。ジュース、私も幸せにしてよ?」

「おう、任せとけ!」

「リリーは後、私が先」


 チューチュー。


「精神が侵されるわ……くっ、これも魔法を極めるためよ! 耐えなさい! 私!」


 その後、金熊を3体捕獲した所で依頼が強制終了。

 銀行も日を改めて来てくれと言われてしまった。


「帝国の一流ホテルに一生住んでも余りある程の額を一瞬で稼ぐなんて……わ、私もハーレムに入れなさいよ! もう!」

「いや、結婚する気が無い奴とは無理」

「なんでよー! 愛の前に金よ! 金さえあれば愛なんて犬の餌よ!」

「うーん、俺の事好きになれる?」

「な、なれるかも知れないじゃない!」

「少なくても今は無理って事ね。じゃあ、ハーレム予約って事で、俺の事をちょっとでも好きになってくれたら結婚しよ」

「そ、それでお願いするわ……」


 エスはプライド高いから時間掛かるだろうなぁ。

 生きてる間に結婚出来るだろうか?


「ジュース君、この後どうするの?」

「んじゃ、一流ホテルに泊まってみるか」


 本当は奴隷市場を見に行きたいけど、ちょっと疲れた。


「泊まるのか! あのホテルに!」

「おう」

「生きてて良かった……!」


 泣く程か……あぁ、まぁ、元奴隷だったし、夢のまた夢ってやつか。

 そういえばなんで奴隷になったんだ?


「エスってなんで奴隷になってたの?」

「帝国に物見遊山で来たら貴族に見染められて断ったら不敬罪として奴隷落ちさせられたわ。あなたが落札して居なければ今頃あの豚貴族に犯されていたわね」

「そうか」

「ちなみに家出中よ。エルフの森は規律が厳し過ぎなのよ……」

「そうか」


 思ってたよりしょぼい理由だった。

 他の奴隷は戦争で故郷を失ってたりするし、いや、比べちゃダメか……よし、考えない事にしよう。


「リリーはね、妖精だから。すぐ捕まっちゃうの」

「観賞用のペットって所か」

「うん。逃げても逃げても捕まっちゃうからちょっと諦めてた。けどジュースが来た。今は自由に飛び回れる。ありがとうジュース。大好き! ちゅっ」


 くすぐったいが良い気分だ。


「おろろろん……おろろろん……」


 速報、アマテ、号泣!


「よしよし、これからは幸せに向かって一直線だからね! アマテも一緒に幸せになろうね!」

「「うん!」」


 一流ホテルは最高ランクの部屋に泊まる事にした。


「もう、悔いは無い……」

「すげぇー、帝国やるな!」

「うわー!ひろーい! フルーツ山盛!」

「初夜! ここで初夜! お願いします! 避妊魔法掛けるんで! ここで初めてを貰ってください!」

「落ち着けアマテ! まだ日は高いぞ!」

「昼でもなんでも良い! 今すぐベッドに行こう!」


 アマテ……彼女に一流ホテルは早過ぎたか。


「分かった、しよう」

「うん!」


「気まずいわ……」

「端っこでおとなしくしておこう」


 アマテの初めては最高の思い出になった。



「凄く気持ちよかった! またしようね!」

「おう!」


「ん……終わったのかしら?」

「はぁ……女同士で慰めるなんて……」


 晩御飯も専属シェフ付きの豪勢な食事だったのでここが天国だった。


 夜もアマテとイチャラブして、途中リリーとエスが乱入。

 エスに俺が好きかと気持ちを聞くと、今すぐエッチしたいぐらいと言われたので正式にハーレム入りした。


 もっと時間が掛かると思っていたが、エスもチョロチョロだった。


 さすがに初めてを貰う訳にはいかないので手や口、擦り付けるぐらいに留めて発散させてあげた。


「やっちゃったわ……」

「やってしまった……」

「最高でした!」


 アマテはウキウキ、エスとリリーはちょっと後悔してる感じか。


「俺のせいにしとけ、エッチでバカな俺のせいにしとけばいい」

「そう、よね。ジュースのせいよ。私があんなにエッチになってしまったのはジュースのせいなんだから! ちゃんと責任とってよね!」

「初めてを貰ってくれても良かったのに……」

「初めては大事に取っとけ。リリーにも、もちろんエスにも、結婚したら最高の思い出になるように頑張るからさ」

「期待してるね!」

「うぅ、恥ずかしい……」


 そんなこんなで奴隷市場、フリーマーケットというより闇市だなこりゃ。


「ねぇ、ここって大丈夫な所なの?」

「いや、全然大丈夫じゃないだろ? 違法だろ、こんなもん」

「可哀想に……」

「人間って鬼畜だよね」


 檻に入れられた子供達が所狭しと並んでいた。


「そこの兄ちゃん、そんな美人達を引き連れて来るような所じゃないぜここは。悪い事は言わねぇ、さっさと帰んな」


 ガラが悪い奴隷屋台の店員がそう忠告してきた。

 中身は良い人なのだろう。

 鑑定魔法で調べると犯罪歴は違法売買などが付いていた。


「ん、そうだな。アマテ達はホテルに戻ってくれ」

「嫌です」

「嫌ね」

「やーだよー」

「見てても面白い事なんて一つも無いぞ?」

「大丈夫」

「問題無いわ」

「ないないー」


「聞き分けのねぇお嬢ちゃん達だ……そこの坊主、後悔したくなきゃ一緒に帰ってやんな」

「ふむ、そうします」


 転移でアマテ達を王都の家に強制連行。


「な、何で帰って来ちゃうの!?」

「ここはどこかしら?」

「急に転移するなー! ビックリするだろ!」

「アマテ、後はよろしく! それじゃな!」


 そう言い残し、再度帝国の闇市へ。


「おわっ!? あ、あんた今、一瞬消えて……?」

「ナイショ。ナイショ」

「夢でも見てるのか……イテテ」


 自分のほっぺをつねって夢かどうか確認してる。

 もしかして天然さんなのか?


「とりあえず奴隷買うよ」

「お、おう。訳分からねぇけど客ってんなら歓迎だ」


 ここの子供奴隷達は他のよりはマシな服装をしている。


「そいつらも兄ちゃんみたいな奴に買われた方が幸せだろうよ……」

「どういった子達なんですか?」

「スラムのガキを俺が買い取って売ってるだけだ。ったく、金もねぇのにガキ作りやがって……」


 親に捨てられたのか……いや、売ったのか、自分の子供を……。イラッとするなぁ。


「分かりました。全員引き取ります」

「言っとくがここは正規の値段では売ってねぇぜ?」


 金貨10枚をインベントリから取り出して見せびらかす。


「あー、ちょっと足りねぇよ。あと10枚はいるわ」


 更に10枚取り出して渡してやる。


「へへ、ありがとよ!」


 5人の子供奴隷を買い取り俺の孤児院へ転移。


「お兄ちゃんは、天使様ですか?」


 一人の幼女にそう言われて盛大に吹き出してしまった。


「俺が天使なら、君は女神様かな?」


 俺がそう言い返すと幼女は頬を赤くして俯いてしまった。


 孤児院に子供達を預けて、まだまだ連れて来ると保母さん達に伝えると「来るなら来ると先に連絡してくれ!」と怒られてしまった。


 これ以上怒られないようにドロンッと帝国へ。


「うおっ!? また兄ちゃんか! やっぱり夢じゃねぇのか」

「ナイショヨ?」

「ハハハ、誰に言っても信じるかよ。それよりもガキ達はどうした?」

「俺が作った孤児院に預けて来た」

「そうかい、なら安心だ」


 ガラが悪い気の良い店員に別れを告げて次の屋台へ。


「お前のようなガキに売るような……売らせてください!」


 金貨を見せるとあからさまに態度が急変して中々面白い。


 子供奴隷とハーピーなど人に近い魔物の子供も裸で売られていたので全員買い取り孤児院へ。


「魔物は流石に無理!」


 断られてしまった。


 ハーピーとラミア、それとスライム娘を引き連れて家に戻ると地味パパが目をギョッとさせて驚いた。


「ジュース、流石に魔物は無理だぞ?」

「あら可愛い子達じゃない、でも魔物は難しいわよ?」

「私も魔物はちょっと無理かな……ごめんね」


 うーん、魔物ってそんなにダメなのか。


「あ、私なら、ちょっとは役立てる、かも?」


 魔族のティリダが恐る恐る手を上げた。


「そっか、魔族なら魔物にも詳しいものね!」

「じゃあ、ティリダには魔物専門の保育士として頑張ってもらおうかな」

「うん! 頑張って育てる!」


 魔物娘達をティリダに任せて子育てに必要な諸々、住みやすい環境や物資などを整えて再び帝国の闇市へ向かい、犯罪奴隷以外の闇市で売られていた奴隷を全員買い占めてやった。


「国でも作る気かの?」

「それもありか」


 村長は頭を抱えている。

 頭がハゲないように増毛の魔法を掛けてあげた。

 村長を王様に、は流石に心労で倒れちまうか……。

 それはやめておいてあげよう。それはね。


 王都の家に戻るとアマテ達にマシンガン文句を浴びせられ、お詫びに帝国観光をして服やアクセサリーなど、似合う物を選んでプレゼントしてあげた。

 もちろんニーナや、家族、親しい友人達にもお土産は忘れない。

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