第6話 雨の音

暗い部屋の中に、雨の音が響く。


時間は夜の1時。今日はなかなか寝付けない日だった。

スマホを触ってれば、そのうち眠くなると思っていたが、むしろ逆効果だった。


「返信、来ないな……」


いつもならすぐに返事をくれる彼。それが数日前からは1日に数回あるかないか。

別に、付き合ってるわけでもない。だから、私が不安がってしまうのは間違いなのだ。

それでも、もっと話したい、声を聞きたい、安心したい、そう思ってしまうのだ。


「やっぱり、好きになっちゃいけなかったのかな……」


ここに来て、彼を好きになってしまった自分を恨む。

きっと彼は私のことをなんとも思っていないだろう。ただの女友達、クラスメイト、話し相手。それぐらいにしか捉えてないだろう。

別にそれでも構わなかった。私にとっては、どんな形でも彼との時間は幸せだったから。


それだけでよかったのにーー


雨の音はさらに大きくなる。それはまるで、私のその思いが誰かに届くのを防ぐかのようだった。

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