第6話 雨の音
暗い部屋の中に、雨の音が響く。
時間は夜の1時。今日はなかなか寝付けない日だった。
スマホを触ってれば、そのうち眠くなると思っていたが、むしろ逆効果だった。
「返信、来ないな……」
いつもならすぐに返事をくれる彼。それが数日前からは1日に数回あるかないか。
別に、付き合ってるわけでもない。だから、私が不安がってしまうのは間違いなのだ。
それでも、もっと話したい、声を聞きたい、安心したい、そう思ってしまうのだ。
「やっぱり、好きになっちゃいけなかったのかな……」
ここに来て、彼を好きになってしまった自分を恨む。
きっと彼は私のことをなんとも思っていないだろう。ただの女友達、クラスメイト、話し相手。それぐらいにしか捉えてないだろう。
別にそれでも構わなかった。私にとっては、どんな形でも彼との時間は幸せだったから。
それだけでよかったのにーー
雨の音はさらに大きくなる。それはまるで、私のその思いが誰かに届くのを防ぐかのようだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます