第130話 墨汁の湖へ潜航せよ!(後編)

 ユリカ:ヤッホ〜イ、湖の中のユリカだよ〜ん。かな〜り深く潜って底の方にぼんやり光るものがあるんだけとさ、なんだか嫌な予感しかしないんよねぇ。


 魔界時間23:52 墨汁湖最深部


 ネネ:ぼんやり光ってるけど全然見えぬい。


 ユリカ:しょうがないなぁ、ネネちんは〜。


 背中のリュックからゴーグルを取り出す


 ユリカ:暗視ゴーグル〜♪

 

 ネネ:それ好きでやってんの?それともネタ?


 ユリカ:まあまあ、それは置いといて。さ〜て、何が見えるかなっと・・・うげっ!


 ネネ:何?何が見えんの?


 ユリカ:虫、それも超特大の。


 ネネ:貸してみ・・・うわ〜お!

 

 マル:ピッピ〜♡


 おこめ:でっかいご飯だ〜♡と言ってるっす。


 ネネ:でも周りが墨じゃあ、近付く事すら出来ないっしょ?


 おこめ:押してダメなら引いてみろっす。


 ネネ:何か考えでもあんの?


 スマホを取り出すおこめ


 おこめ:こういう時は、不死鳥島ふしちょうとうで知り合った先達せんだつの知恵を拝借するっす。


 ネネ:不死鳥・・・何て?  


 ユリカ:ポセイドン様の治める国、ネプチューヌ帝国にある島の名前だよ。天界中のフェニックスが集まる事からそう名付けられた島なんよ。


 ネネ:ほ〜ん。


 おこめ:しもしも?エンシェントフェニックスさんっすか?実は教えてほしい事があるっす。 


 ユリカ:今サラリとすげぇ名前が出たんだけど。


 おこめ:ほむほむ・・・ほうほう・・・有難うっす!


 通話を切る


 ネネ:何て?


 おこめ:奴の名はマザービートルという女王個体っす。奴は卵を孵化ふかさせる時に有害なカオスを除去するっす。それに必要な無限草むげんそうというカオスの弱点の無属性を豊富に含んだ草を大量摂取するから過剰に反応するらしいっす。


 ネネ:で?


 おこめ:それを餌にして釣り上げるっすよ。


 ユリカ:するって〜と何かい?私等に釣りしろと?


 おこめ:マルちゃんが食べたがってるのはマザービートルじゃなくて、ソイツに寄生してる寄生虫の方っす。ソイツがカオスを無尽蔵むじんぞうに作り出してるのが今の状況の元凶っす。


 ネネ:するとどうなる?


 おこめ:寄生虫はその無限草を嫌がって体外に出てくるらしいっす、それをマルちゃんが美味しくいただけば万事解決っす。


 ネネ:うっし!そうと分かれば浮上するか!


 ユリカ:浮上するって言ったって、どうやって浮くのさ?


 ネネ:そりゃあ、こめ公から離れりゃ良いじゃんよ。


 ユリカ:んな事言ったってさ、潜るのに邪魔だって反重力装置を置いてきたじゃん?


 ネネ:あ。


 ユリカ:オイオイ、しっかりしてくれよ〜。


 おこめ:それなら持ってきてるっす。


 2人:それ早く言えよ!






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