第127話 甲羅登山(山頂前編)

 ユリカ:ヤッホ〜ッ!いんや〜、登り切った時のこの達成感たるやだねい♪え?途中からズルしてなかったかって?しょうがないじゃんよ〜、山頂の周りをあんなモン飛んでたらさ〜。


 双眼鏡見る


 ユリカ:そ〜れ〜にしても、な〜にが飛んだか・・・ゲッ!何アレ、虫⁉︎なんかクワガタかカブトムシみたいなのと蜂か蟷螂かまきりが合体した様なのが物凄い数で飛んでるぞ!


 魔界時間22:09 墨仙トータス 甲羅山頂


 ネネ:何、虫?


 ユリカから双眼鏡を借りて見る


 ネネ:うわっ!ホントに虫だよ。鳥か何かかと思ったら思いっきり虫じゃんよ!アイツ等魔界じゃ見ない種類だねい。ユリカちゃんは?


 ユリカ:天界でも見た事な・・・いんや、なら見た事あるかも。


 天界の昆虫図鑑を出す


 ユリカ:え〜っと、天界の虫って基本ああいうグロいのは居ないんよね〜・・・あ、あった!


 ネネ:どれ?


 ユリカ:ホレ、これだよ。


 ネネ:何々、ホーリービートル。天界宇宙の希少金属オリハルコンと神聖樹しんせいじゅの蜜を主食とするため外殻がいかくは非常に硬く、体内は常に聖なる力が宿っているため邪悪なものを寄せ付けない。そのため身体の色は白い・・・って、アイツ等は姿形も違うし真っ黒じゃん。


 ユリカ:だから、似た奴って言ったじゃんよ。それに、角もホーリービートルは1本だけどアイツ等は3本だし。あ、もしかしてアイツ等にも女王個体が居るのかな?ホーリービートルにも女王個体が居るし。


 ???:それは多分この墨の湖に投げ込まれたまゆがそうなのかもしれないよ。


 ネネ:誰?


 ユリカ:ちょい待ち!このお姉さんも人間みたいだからこういう時は・・・


 デバイスの閻魔帳アプリを開く


 ユリカ:え〜んまちょ・・・


 ネネ:言わせね〜よ‼︎


 ユリカ:んだよ、ノリ悪いなぁ。えっと、このお姉さんのお名前なんて〜のっと・・・分かったじぇい!昆虫の行動研究の先駆者、ファーブル昆虫記でお馴染みのジャン・アンリ・ファーブルだじぇ〜。


 ネネ:ええっ!あのファーブル⁉︎


 ジャン:いやはや、死後魔界宇宙を転々として昆虫の研究に没頭するとたまたま彼等に遭遇してね。すると天使とおぼしき者達が黒い繭をこの墨の湖に投げ込んだではないか。すると、それ以降ああやって近付く者達を襲ってるんだよ。


 ネネ:アレが何だか知ってる?


 ジャン:そこの君、さっきのやつを出してくれないか?


 ユリカ:ほえ?さっきのって天界の昆虫図鑑の事?


 ジャン:そうそう♪


 ホーリービートルを詳しく調べる


 ジャン:ふむふむ・・・ほうほう・・・これはもしかすると・・・君、昆虫の古代生物図鑑はあるかね?


 ユリカ:ああ、それならこっちのサイトに・・・コレコレ、コレだよ。


 ジャン:ふむ。成る程、が分かったよ♪


 ネネ:ホント⁉︎


 後編へ続く・・・













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る