第125話 甲羅登山(一合目)

 ユリカ:ハイッ!ユリカでっす。墨仙トータスの甲羅の天辺に登るため登山する事になったんだけど・・・


 甲羅の頂上を見上げる


 ユリカ:て、天辺が見えぬい。


 魔界時間21:54 墨仙トータス甲羅一合目 山小屋


 たましいが抜けかける2人


 ネネ:朝4時に登り始めてようやく一合目・・・死ぬる。


 ユリカ:エベレスト山1つ分登ってようやく一合目だよ、あと何合あんのよこれ。


 ネットの観光ガイドを見る


 ネネ:み、見るんじゃなかった。山頂除いて1199合ある。


 ユリカ:て事は何か?これをあと1199合分登れってか⁉︎歩きで?


 ネネ:だって、飛んだら飛んだであの得体の知れない奴等に襲われるんよ。


 ユリカ:一回試したらいいじゃんよ、どれくらいの高さがデンジャラスゾーンなのかをさ。


 ネネ:・・・やってみるか。


 ???:100m。


 ネネ:うおっ!誰か居る⁉︎


 ユリカ:人間だね、こういう時は・・・


 デバイスから閻魔帳アプリを開く


 ユリカ:え〜んまちょ〜う。


 ネネ:何処ぞの青ダヌキみたいに言うなし。


 ユリカ:さてさて、アンタのお名前なんて〜のっと・・・うおっ!


 ネネ:どした?


 ユリカ:この姉ちゃん、二宮忠八にのみやちゅうはちだ!


 ネネ:二宮忠八って、明治から昭和期の軍人で航空機研究者であり実業家の?


 ユリカ:そう、またの名を日本航空機の父。 


 ネネ:何でまたそんな有名人がこんな所で?


 忠八:地獄の死霊裁判で魔界への永住を決めてね、ビーストヘッジ工科大学で最新の航空力学を学んで新たな航空機を作ってここで耐久テストをしようと思った矢先にあの怪物達が現れて飛べなくなったのだよ。


 ネネ:100mってのは?


 忠八:それが奴等の探知される高度限界だ。 


 ネネ:つまりは100m以下を維持して飛べば襲われないって事?


 忠八:その通りだ、私の作った航空機では安全高度を保てるがエンジン音で勘付かれる。


 ネネ:その点ウチ等なら安全に飛べるってわけかぁ。


 忠八:その通りだ、そこで君達に頼みがある。


 ネネ:あの怪物達を何とかしろって言うんっしょ?


 忠八:頼めるかな?


 ネネ:ずるいよなぁ、魂はオッサンって分かってても美女からそんなお願いされたら断れないじゃんよ〜♡


 ユリカ:ま、どっち道なんとかしないとトータスの爺さんも困るだろうしね。


 ネネ:それな〜。


 忠八:これは私のかんだが。おそらく奴等は山頂・・・いや、正確には甲羅の山頂湖底にある物を守っているのではないのかと。


 ネネ:な〜る、そいつが無くなれば守る物が無くなるから居なくなるか。


 ユリカ:これはやってみる価値アリだねい♪




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