第124話 墨仙トータス

 ユリカ:ヤッホイ!ユリカだよん♪帝星ムゼーオに着くはずがどういうわけか惑星スイボクに来ちゃったネネちん。着いて早々に墨仙トータスって巨大亀を助けろと無茶ぶりかますミク姉に嫌とは言えないネネちんは何か弱みでも握られてんの?


 魔界時間21:50 アルト帝国領 惑星スイボク中心部 墨流湖ぼくりゅうこ


 ユリカ:ここに住んでんの?


 ネネ:そだよ、小ちゃい頃に来て以来だよ。アタシは亀爺かめじいって呼んでた。


 ???:な〜んだか懐かしい気配がするのぉ。


 湖面が盛り上がる


 ネネ:うおっ!


 慌ててシールドを張る


 ネネ:久しぶりだね、亀爺。


 トータス:誰かと思えばネネか、大きゅうなったのぉ♪


 ネネ:ま〜ね〜。


 トータス:ワシに会いに来たんか?


 ネネ:亀爺が具合悪そうにしてるってミク姉から聞いたんだけど、ホントに墨の出が悪くなってるね。


 トータス:そうなんよ。誰かは知らんが、ワシの甲羅こうら天辺てっぺんにある墨の湖に何か投げ込んでのぉ。それ以来、墨の出が悪うなったんじゃ。


 ユリカ:これウチ等が潜らなダメなパターン?


 ネネ:だろ?番組的に。


 トータス:おお、ネネが見てきてくれるのか?助かるのぉ♪


 甲羅を見上げる2人


 ネネ:先ずこれを登らなきゃじゃね?


 ユリカ:そんなん、転移魔法とかでチャチャっと行けなくね?てか、登った事ないの?


 ネネ:無いよ。 


 トータス:いつもは決まった時間に業者が来てトランスポート使つこて行き来しとったんじゃがの、投げ込まれてからはどういうわけかトランスポートが使えんようになったんじゃ。


 ユリカ:ヘリとかは?


 トータス:それも駄目だめなんじゃ。甲羅の天辺をよう見てみ。


 ネネ:ん〜?あ、何か飛んでる。


 トータス:アレも住みつく様になっての、空から近付くもんを問答無用で襲いかかってくるから近付けんのじゃよ。


 ユリカ:て事は・・・


 再び見上げる


 ネネ:コレ、徒歩で登れってか。


 ユリカ:高さはね、人間の皆んなはエベレスト山の1200倍の高さを想像するがいい。私等はそれを登らされるんだじぇ。


 ネネ:死ぬる、確実に死亡フラグ。


 雅:プククッ!が、頑張って♪


 ネネ:楽しそうね。


 トータス:すまんのぉ。


 ネネ:一旦街に戻って登山の準備せな。


 ユリカ:亀の甲羅登山やんのウチ等くらいじゃね?


 ネネ:だな〜。


 ユリカ:ネネちん、登山経験は?


 ネネ:ん?富士山ならあるけど、ユリカは?


 ユリカ:私?未経験。


 ネネ:オケ、アタシが選んだる。


 ユリカ:助かるじぇ。あ、登ったら潜るっしょ?スキューバダイビングの経験は?


 ネネ:あのね、墨ん中潜るんだから水と違くね?


 ユリカ:だな〜。










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