第114話 医科大学へ行こう(前編)

 ユリカ:ヨッス、ユリカだよん♪私はね〜、今ミートリア共和国って国に居んのよ。ま、いわゆる現地から中継でお送りしてますってやつね。そういやさ、このお話の主人公のネネちんってサキュバスにしてはチャーム系の魔法とかフェロモンとか無いよね?視聴者どくしゃも気になるかもだからこの際調べてもらおうってわけ。


 魔界時間20:37 帝王都サタンヘイルダム 学術特区リバイアス国際医科大学


 通路を歩く2人


 助教授:教授、この前の件どう思われますか?


 テリー:ああ、ディメスティア帝国女帝陛下の件だな。あれは確かに興味深い案件だ。


 ユリカ:このおっちゃんはテリー・ゲノムス教授。リバイアス国際医科大学の異種族医学部教授だよん。


 助教授:次元の力を操る事が出来る代償としてサキュバスの能力が一切使えなくなるというのはあり得る事なのでしょうか?ましてや、魔界宇宙一フェロモン濃度の濃い淫魔族なのに一般魔族並みのフェロモンしかないだなんて。


 テリー:元々、次元の力を操る代償という事例は幾つかあった。しかし、生体本能に関わるものにまで影響を及ぼすなどというのは前例が無い。だからこそ、ディメスティア女帝陛下には精密検査をやってもらわねばならない。


 助教授:ですね。


 テリー:ディメスティア帝国へは?


 助教授:既にリバイアス学長の承認を得て送っておきました。


『同時刻 女帝執務室』


 ネネ:おんよ?メールだ。


 雅:何処からですの?


 ネネ:リバイアス国際医科大学からだよ。何々?この度メールを送りましたのは貴女の特異体質が気になった次第でありまして、一度精密検査を試みたいと思います。つきましてはリバイアス国際医科大学までお越し願えませんでしょうか?とな?


 雅:医科大学の興味を示すくらいだから相当なのでしょうね。それで、行くんですの?


 ネネ:まぁ、こうして改めて書かれると気になるっちゃあ気になるわな。


 雅:行くんですのね? 


 ネネ:行くよ。


 ユリカ:おやおや、検査行くんだね。


 ネネ:アンタ、肉ばっか食ってっとまた太るよ?アンタこそ精密検査必要なんじゃね?


 ユリカ:ちゃんとダイエットしますぅ。


 ネネ:ガッツリ食いながら言われてもね〜。


 ユリカ:婚約会見どうすんのさ?


 ネネ:ちゃんとするよ〜。明後日の便で行って、都内のホテルで結婚会見して帰るって流れ。


 ユリカ:ほ〜ん。


 ネネ:ヴァネッサさんも国土移転手続きのために行かなくちゃいけないから結婚会見やるならサタンヘイルダムの方が丁度良いんよ。じゃ、明後日に備えて準備するよ。


 後編へ続く・・・










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