第93話 年の瀬のネネ

 マッサージを受けるユリカ


 ユリカ:あ〜、そここそこ♪ん?何やってんのかって?いやね、2日前までゴルフやってて。とてつもなく広いバンカーに打ったボールが入っちゃってね、延々と打ち続けて腕が痛いし腰が痛い。だからこうしてマッサージやってもらってんの・・・もうちょい左・・・あ〜、そこそこ♡


 年末 魔界時間23:50 ???内部


 ネネ:いや〜、今年も色々あったなぁ〜。バンジーされたり、巨大花に落とされたり、巨獣に追っかけられたり・・・あれ?おかしいな、思い出したらなんだか涙出てきた。


 ユリカ:極寒の地に閉じ込められたり、隔離されたり、めっちゃ高いビルに長い間閉じ込められたり、ゴルフで遭難しかけたり・・・あれ?私もなんだか思い出したら泣けてきた。


 ネネ:魔神具もロクな形に進化しないし。


 ユリカ:何故か私の行動先読みされててアオイ先輩のマンション手前でいつもすぐ捕まるし。


 遠い目をする2人


 2人:これも日頃の行いのかな〜。


 ネネ:ところでさ、ここなんだか暗いんだけど何処?


 ユリカ:さあね、私もマッサージ終わってウトウトとして気が付いたらここに居たんよ。


 ネネ:あ、灯りがあった。


 行燈あんどんに魔法で火をともすネネ


 ユリカ:灯りがあっても全体を照らせてないね。


 ネネ:音も無いし静か過ぎるし。


 ユリカ:ま、良いんじゃね?


 畳の下を覗き込むネネ


 ネネ:てかさ、この畳浮いてね?


 ネネに続いて下を覗き込むユリカ


 ユリカ:あ、ホントだ。


 炬燵こたつ蜜柑みかんの皮を落とすネネ


 ネネ:や、闇に消えた・・・


 ユリカ:地面に落ちた音がしない。


『???外部』


 雅:それでは住職、お願いしますわね♪


 住職:ホイホイ、魔界宇宙の煩悩ぼんのうを消し変わらぬ平穏へいおんを願って突かせていただきますぞ〜♪


 幸子:はい、ここは何処かというと宗教超大国ガプトラス教国傘下はライコウ皇国の巨獣、鐘楼玄武しょうろうげんぶの甲羅の上の鐘の真下にいま〜す♪


 雅:煩悩退散の効力を持つこの巨獣は年に1回しか活動せず、文献によると天界宇宙の暴君をこの鐘の中に閉じ込め懲らしめたという伝説のある鐘にございます。


『鐘内部』


 ネネ:な、なんだか嫌な予感がする。  


 ユリカ:奇遇だなぁ、私もだよ〜。 


『鐘外部』


 雅:それでは時間ですので住職、スタンバイをお願いしますわ♪


 住職:ホイホイ、了解ですじゃ♪


 住職が上空まで浮き天高く両手をかざすと尻尾の蛇が撞木しゅもくを咥えてスタンバイする


 幸子:撞木というのは除夜の鐘を突く棒の名前ですよ♪


 住職:それでは皆々様の煩悩を払い、すこやかなる良い年を願って〜・・・そ〜れっ!


 翳した両手を振り下ろすとそれに反応して尻尾の蛇が撞木で鐘を鳴らす


 2人:ほんぎゃーーーーーーっ‼︎





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