第89話 ハロウィンフェスティバル

 ユリカ:ハッピーハロウィ〜ン!あ、これ放送されんの11月だっけ?でもこの番組収録した日はハロウィンだから問題ナッシング♪人界のハロウィンってさ、お化けの格好するじゃん?でも魔界の場合、お化けがお化けの格好するとそれこそ人間が人間の着ぐるみ着る様なモンだから意味なくね?


 魔界時間17:58 星都ウラメシ オドロン城前広場


 広場の特設ステージの壇上に上がるジュン


 ジュン:ハッピーハロウィン!年に一度の魔族の祭典によくぞ集まってくれた!今年も同盟国のゾンバルト帝国よりこのお方が駆けつけてくださったぞ〜♪


 広場に集まった民衆から大歓声が湧き上がる


 ジュンと入れ替わりに壇上に上がるガラハルト


 ガラハルト:我が国の良き隣人たるファンタジア王国の民よ、美しき満月の今宵によくぞ集まってくれた!今宵は老いも若きも男も女もこの宴を楽しむと良い♪


 再び大歓声が湧き上がる


 ガラハルト:この宴では王侯貴族も平民も関係なく分け隔てなく無礼講でいこうではないか!ハッピーハロウィ〜ン‼︎


 民衆:ハッピーハロウィン‼︎


 入れ替わりに壇上に上がるジュン


 ジュン:19時よりこの星そのものが巨大なお化け屋敷と化すトリックサバイバルを開催する!優勝者には莫大な賞金が出るのでふるって参加していただきたい!それまでディナーを楽しむも良し、歓談するも良し、好きにしたまえ♪


 雅:(目を覚ましてみればハロウィンフェスティバル⁉︎あれは確か2週間も前に開催された筈ではなかったの?)


 ユリカ:そういやこの人前回気絶してたんだったね。


 仮装した通行人に話しかける雅


 雅:つかぬ事伺いますけど、このハロウィンフェスティバルはもう終わったのではないのですか?


 通行人:ああ、それでしたら例の歴史改変事件の影響で今年は今日になったんですよ。


 雅:(これはとんだ誤算でしたわ!これでは陛下にかけた記憶を封じる呪いが解けてしまいますわ!)


 ※とっくに解けてます


 魔界時間19:00 トリックサバイバル開催


 特設ステージのライトが消えて懐中電灯の光を顔に当てたジュンが現れる


 ジュン:さあ〜、いよいよこの時間がやってまいりました〜♪優勝賞金2000兆ヘルネスをかけたメイ〜ンイベント!ルールはいたってシンプル、この星の全てを使って驚かし、諸君の腕に付いてるリングが赤く光れば失格。最後まで逃げ延び残った1人が優勝者となる、賞金・賞品を手に入れられるのは上位3名のみ!それでは〜・・・トリックオアトリーーートーーッ‼︎


 一斉に散開する参加者達


 国賓専用観覧席に座るガラハルトとジュン


 ガラハルト:イナガワ伯よ、今年は誰が勝ち残ると思うか?


 ジュン:ホラー映画や怪談が平気な者に限って予想外なものを恐れるもの、追われる側がそれに気付けばその者にも勝機が見えてきましょう。それ故に、勝敗は分からぬものです♪


 ガラハルト:然り♪


 開始から3時間経過したところで多くの参加者が敗退する


 ジュン:だいぶ人数が絞られてきましたな。


 観覧席前の宙に浮いた液晶モニターの1つに注目するガラハルト


 ガラハルト:残るはあの5名か・・・む?


 ジュン:如何なされました?


 ガラハルト:あの顔、何処かで見たような?


 ジュン:何方どなたにございますかな? 


 ガラハルト:左から2番目のモニターに映っておる者だ。


 ジュン:ああ、あの者はオーケストル帝国の元公安局長にしてディメスティア帝国の公安大臣の桐原雅殿ですよ。


 ガラハルト:桐原・・・桐原・・・お、思い出した!これはマズい、今すぐにあの者を棄権させろ!トリックサバイバルが地獄と化すぞ‼︎


 ジュン:へ?


 ガラハルト:あの者は恐怖で大抵は気絶するからまだ良いが、恐怖が限界に達すると・・・


 ジュン:た、達すると?


『惑星テラー最北端パンプキングの森』


 雅:・・・・


 ネネ:おんや?ま〜た気絶したかな?


 雅:・・・フッ・・・フヒ・・・・フヒヒッ♪


 ネネ:み、雅姐さん?


 雅:フヒヒヒヒッ♪


 不気味な笑いと共に衝撃波が周囲の木々を切断する


 ネネ:こ〜れはヤバイんでね〜の!


 雅:アヒャヒャヒャッ♪


 ネネ:全員、退避ーーーーっ‼︎


『再び観覧席』


 ガラハルト:破壊の権化、バーサーカーと化す


 ジュン:なんですとーーーっ⁉︎


 パンプキングの森は阿鼻叫喚の地獄絵図と化す


 ???:グオーーーッ‼︎


 ジュン:しまった!この時期はまだが休眠中だった!森を荒らされたと知れば逆鱗に触れて更に地獄は加速する‼︎


 ユリカ:ヤバイッ!CM、一旦CMいって!


 次回へ続く・・・








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