第87話 惑星テラー

 暗い空間で懐中電灯の光を顔に当てるユリカ


 ユリカ:おこ〜んば〜んは、ナレーターのユリカだよ〜ん。お化け屋敷が主体のこの星は年に一度ハロウィンイベントで盛り上がるんだけど、ここで最恐で知られるの意外な弱点が明るみになるんだよ〜ん。トリックオアパンティ!アオイ先輩のパンティくれなきゃ悪戯するよん♪


 背後から殺気を感じ恐る恐る背後を見るユリカ


 ユリカ:お、おか〜たま⁉︎


 無言でユリカを引き摺っていく幸子


 ユリカ:ちょっ、待っ、ほんのジョークなんだってば・・・ほぎゃーーーーっ‼︎


 魔界時間17:39 惑星テラー星都ウラメシ オドロン城


 ネネ:ほっほ〜、ここが惑星領主ジュン・イナガワ伯爵の居城オドロン城かぁ。城丸ごとお化け屋敷になってるなんてワックワクするねぇ♪


 雅:・・・・


 ネネ:そういや、何か大事な事忘れてる気がするんだけど・・・何だったっけかな?


 周りを見渡すネネ


 ネネ:およ?いつもならここで忘れるくらいなら大した事ないんじゃね?ってユリカちゃんが言うところなんだけど、やけに大人しいね。


 ワイプからカンペを出すAD


 ネネ:え?冒頭のナレーションで幸子さんにお仕置き受けて廃人化してるからそっとしといてあげてって?そりゃ災難だったねぇ。


 城のメインホール奥の人影に気付くネネ


 ネネ:ん?薄暗くて見辛かったけど、アレ中央政府のドラクロス外相じゃね?


 雅の背後から音もなく現れるグール族の男性


 ???:よ〜うこそお越しくださいました〜♪


 ネネ:あのさ、驚かすならアタシの背後にしなよ。ま、そんな事したって別に何ともないけどね。雅姐さんにやったって無駄・・・ん?


 雅:・・・・


 ネネ:おりょ?お〜い、雅姐さ〜ん?


 ???:気絶してますねぇ、そんなにビビられると驚かし甲斐のある方ですねぇ♪


 ネネ:ユリカちゃんまだ立ち直ってないから代わりに。このオッチャンはグール族のジュン・イナガワ伯爵、この星の領主でお化け屋敷の天才プロデューサーでもあるんよ♪


 ジュン:そういや、この前城の地下で何か普段しない物音がしたんですよねぇ。


 ネネ:ほむほむ。


 ジュン:なんだか怖いな〜、嫌だな〜と思いながら恐る恐る地下へ行ったんですがね。そこには血だらけの美女がこちらをジーっと見てるんですよ。


 ネネ:美女とな⁉︎


 ジュン:なんだか気味悪いな〜、怖いな〜と衛兵を呼ぼうと振り向いたら・・・


 ネネ:振り向いたら?背後にでも居たの?


 ジュン:ちょっと〜、こういうのはネタバレしないのが怪談のマナーですよ〜!たまに居るんですよね〜、貴女みたいなどんなに怖い怪談しても全く怖がらない人が。


 ネネ:だって美女の次にホラー系が好物なんだもん♪・・・お?なんだか幼い頃にも似た様な事があった様な無かった様な〜?


 ジュン:おや?畏れながら女帝陛下には記憶を封じる呪いがかけられている様ですな。この手の呪いなら気絶してても本人が居れば私なら解呪出来ますが、如何なさいます?


 ネネ:雅姐さんがその手の呪いかける時って大抵本人にとって都合の悪いもの・・・思いっきりやってちょ!


 ジュン:承知致しました。それではいきますよ〜!


 ネネにかけられた記憶封じの呪いを解くジュン


 ネネ:思い出した!雅姐さん、昔からホラー系が大の苦手だった!小さい頃にとっておきの怪談話したら気絶したんだったよ〜♪


 ジュン:ムホホホホ、それは良い事を聞きましたぞ〜♪


 ネネ:およ?そういや何かもう一つ忘れてる様な?


 ジュン:女帝陛下にかけられた記憶封じの呪いはそれだけでしたぞ。


 ネネ:ま、いっか。










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る