第76話 ユリカのステイシェルター

 ユリカ:ヤッホー!暫くぶりだね、ユリカだよ〜ん♪皆んな心配してたかなって思ってさ。へ?なんか透けてないかって?それはこの後説明するよ。とにかく、リモートで尚且つ番組1本だけならナレーション再開していいって言うからここ限定で復帰だよ!


 魔界時間18:09 宮殿内女帝執務室


 ネネ:お〜、暫くぶり〜♪ステイシェルターで太ってたかと思ったら案外変わりなくて・・・なんかユリカちゃん透けてない?


 ユリカ:そうなんよ〜、原因はパパとママでね。2人が結婚するキッカケがモーツァルトの代表作の1つフィガロの結婚が流れるクラッシックバーでさ、その曲自体が歴史から消えちゃったもんだから私の存在がこんな感じで消えかかってるんよ。


 ネネ:中途半端でも存在が残ってて良かったよ。


 ユリカ:ホントだよ〜。実はこのシェルターに行く途中で一気に足から消えて手首と頭だけになってさ、間一髪でシェルターに入ったからなんとか存在を留める事が出来たんよ。


 ネネ:そりゃ本当に間一髪だったね。


 ユリカ:その後であのニャンコ警部の活躍もあってさ、赤ん坊時代のモーツァルトと同じ時間軸に居た大人モーツァルトを救出して元の時間軸に戻したお陰でここまで回復したんよ。


 ネネ:でも何でまだ透けたまんまなのさ?


 ユリカ:それが、肝心要の本人直筆の楽譜がゴッソリ盗まれて未だに行方不明になってるんよ。


 ネネ:それはそうとユリカちゃんのご両親は?


 ユリカ:それを説明するためにお仕事しなきゃね。そもそも対タイムパラドックスシェルターは危険度に応じて3つあってね。1つ目は危険度が1番低いけど隔離が必要な人が入るブルーシェルター、2つ目は要隔離対象者で私の居るこのイエローシェルター、最後は最重要隔離対象者の入るレッドシェルター。パパとママはそのレッドシェルターに居るんよ。


 ネネ:雅姐さんは何処に居るの?


 ユリカ:雅さん?雅さんならレッドシェルターだよ。レッドシェルター対象者はリモートすら出来ないんだよ。リモートが出来るのはイエローシェルターまで。


 ネネ:そっかぁ。そういやさ、そのシェルターって広いの?


 ユリカ:もの凄く広いよ〜、なんせ都市丸ごとシェルターなんだもん。人界で今流行してるウイルスと違って同じシェルター内の人同士ならいくら濃厚接触しても全然問題ないからね。都市丸ごとだからスポーツジムだってあるよ。


 ネネ:だから太ってないのか。


 ユリカ:てなわけで、こんな感じで事件解決するまで暫くリモートナレーションするからヨロシクね〜♪



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