第2話染まることなき者

 アオイ:この世には様々なハーフの人がいますよね。もしもこの世に交える事のない4つの宇宙全ての種族の混血の方がいたらどうします?今回はそんな奇跡的な人のお話です。


 魔界時間13:00 帝都グラヴィティオ 宮殿女帝執務室


 雫:ネネ、次元国際空港の入国審査で引っかかってる奴がいるそうだぞ。


 ネネ:ウェッへへ。この姉ちゃんいい〜ケツしてんなぁ♡


 女帝執務室に鳴り響くハリセンの音


 ネネ:いった〜い♡


 雫:人の話をちゃんと聞けこのバカ!


 ネネ:入国審査に引っかかった奴がいるって事でしょ?


 雫:エロサイト見ながらちゃんと聞いてるのかい!


 ソフィ:その方、何で引っかかっているのです?


 ネネ:ど〜せ違法薬物とか持ち込んだんじゃないの〜?


 雫:いや、怪しいものは一切持ち込んでない。引っかかってるのは『身分証明が出来ない』らしいんだよ。


 ネネ:はあ?それってただ相手が天族ってだけじゃないの?


 雫:いや、それがな。そいつメモリースフィアも持ってないらしいんだよ。


 ソフィ:天族なら閻魔帳が効かないですし、その代わりメモリースフィアで身元確認出来そうなものでしょうけど、そのメモリースフィアすらないなんて妙ですね。


 ネネ:兎に角行ってみよ〜♪そいでもって男なら即、国外追放!


 雫:入国審査で捕まってるのは『女』だそうだ。


 ネネ:すぐ行こう!今すぐ行こう!


 雫:コイツ・・・


 1時間後 帝都次元国際空港内


 雫:ほら、あいつ。


 ネネ:お〜!胸ボーン!ケツボーン!そしてセクスィーに割れた腹筋♡


 取調官:聞けば彼女、女帝陛下をご存知のようで。


 ネネ:え〜!あんな特盛オッパイの超絶美女なんてアタシ知らないよ〜!知ってたら私の方から速攻お近づきになってるって♡


 雫:まぁ、コイツ自分が関わった美女に関する記憶だけは鮮明に覚えてるからな。それは私が保証する・・・したくないけど。


 ソフィ:あの方に見覚えは?


 ネネ:フヒヒ、特盛オッパイにデケェ美尻。たまらんなぁ♡


 雫:ダメだ、全然聞いてない。まぁ、この顔は初見って顔だな。で?名前は?


 取調官:はい、『レイ』と申しております。元々名前は無かったそうで、レイという名前は女帝陛下がお付けになられたとか。


 ネネ:レイ?アタシが付けた?そして元々名前は無かった?・・・はて?どっかで聞き覚えがあるようなないような。


 雫:それって男じゃないのか?お前男に関しちゃ記憶力0だし。


 取調官:あ、そういえば『もしもネネを呼ぶ時はコレを渡せばわかる』とも言っておりました。


『01』と書かれたタグ付きの首輪を差し出す取調官


 ネネ:これって・・・・・え?・・・・嘘でしょ。


 雫:思い出したか?


 ネネ:うん。あれは私が魔王検定合格後の100年研修で人界に行った時・・・


 80年前 人界某所


 降りしきる雨の中裏路地で1人座り込む青年


 青年:・・・・・・・・


 ネネ:アンタ、名前は?


 青年:名前は・・・・無い。両親共に俺が産まれて直ぐに死んだ。引き取った里親も名前をつけてもらえなかった。


 ネネ:あ、そう・・・このまま放っておくのも後味悪いし、名前付けてやんよ。


 タグの『01』を見るネネ


 ネネ:0と1でレイで良いや。行くとこ無きゃアタシが拾ってやる。


 レイ:レイ・・・か、悪くない♪


 そして現在・・・


 ネネ:あれから暫く一緒に住んでたけどね、ふと気付いたら居なかった。


 雫:こりゃ本人に直接その辺聞いてみるしかないようだな。


 取調室に入る3人


 レイ:久し振りだなネネ♪


 ネネ:アタシは確かに女好きだけど、だからって性転換までせんでも。


 レイ:性転換?してないぞ。


 ネネ:ちょっと来い。


 レイのパンツを脱がして確認するネネ


 ネネ:うそ〜ん、マジモンだ。


 雫:そいつ本当に男だったのか?


 ネネ:そうだよ、無精髭生やした28歳の野郎だよ。嘘だと思うならそこの取調官、アタシを閻魔帳にアクセスして調べてみ?


 取調官:では失礼して・・・・・


 雫:どうだ?


 取調官:女帝陛下は嘘を言っていません。本当のようです。


 ネネ:ホレみてみ!


 雫:じゃあ何故。


 レイ:あの日、ネネの誕生日を祝おうとケーキを買いに行く途中で眩い光に包まれて気が付いたら魔界に居て女になってた。


 ネネ:取調官!


 取調官:ハッ!


 ネネ:コイツの身元は私が保証する、だから今からリバイアス国際医科大学に連れて行く!ソフィ姐さん、雫姐さん、国の留守お願い!


 雫:まぁ、私はこの国の宰相だから別に良いけど。


 ソフィ:留守はお任せください♪


 2時間後 魔界宇宙中枢帝王都サタンヘイルダム 学術エリア リバイアス国際医科大学


 ウォルター:お久し振りですな、ネネ皇女殿下♪


 アオイ:このお方は魔獣貴族でリヴァイアサン族のウォルター・リバイアス公爵様。リバイアス国際医科大学の学長兼理事長でもあります。


 ネネ:もう皇女じゃないって。ウォルターの爺ちゃんも久し振り♪


 ウォルター:で?何用かな?


 ネネ:レイの身体を調べてほしいんだけど。アタシ個人としてはベッドの上で組んず解れつしっぽりと検査したいけど・・・グヘヘ♡


 ウォルター:あい分かった、ネネ殿の毒牙にかかる前に検査しようかの。さ、レイさん。こっちに来なさい。


 レイ:分かった。


 30分後


 ネネ:で?どうだった?


 ウォルター:ふむ、これはもしかしたら4界宇宙生物学界史上類を見ない世紀の大発見かもしれんぞ。


 ネネ:どゆこと?


 ウォルター:先ず性別の件じゃが、最近頻発しておる魂が同時に魔界に転移してきた別次元の身体に入るという現象を疑ったが、肉体と魂の遺伝子情報は完全に合致している。おそらくその世紀の大発見が関係しておるかもしれん。


 ネネ:その世紀の大発見っていうのは?


 ウォルター:天族、魔族、冥族、人族の4つの宇宙の種族のDNAが綺麗に混在しておる。これは本来『あり得ない事』なのじゃ。


 ネネ:確かに、遺伝子の関係上どれかが負けて消えるよね。爺ちゃん、考え得る可能性ってない?


 ウォルター:そうじゃのぉ・・・今のところ何と言えんわい。兎に角このDNAサンプルを見て調べてみんとのぉ。


 ネネ:ま、そこまで分かっただけで充分だよ♪


 ウォルター:すまんのぉ。


 学長室を退室するネネ達


 カノン:公爵閣下、これは私の推測ですが。


 アオイ:この方はリバイアス公爵家私設騎士団『水龍騎士団』の団長のカノン様です。


 ウォルター:良い、その推測聞こうかのぉ。


 カノン:天族と魔族は遺伝子の相性が悪い、冥族と人族の遺伝子の相性が悪い。でもこれが天族と冥族、魔族と人族という遺伝子の相性の良いもの。つまり、天族と冥族の間に産まれた子と魔族と人族の間に産まれた子の間に出来た子供がレイさんだとしたらどうでしょう?


 ウォルター:そうか!相性の良い遺伝子同士なら互いの遺伝子を守って無傷で新たな遺伝子を構築出来るか!お手柄だカノン!


 カノン:有難うございます♪


 ウォルター:あとはこのDNAサンプルがお主の推測と合致すれば正真正銘の世紀の大発見じゃ!


 帰国後・・・


 雫:どうだった?


 ネネ:ご本人でした。


 大学での事を話すネネ


 雫:成る程なぁ。で?お前はどうするんだそいつ。


 ネネ:レイは結構強い上に軍略に長けてるしから軍政大臣を任せようと思う。


 雫:良いのか?本人に聞かなくて。


 レイ:私はネネがそうしてほしいのなら構わない♪


 ソフィ:まぁ、本人が良いって言うなら良いのでは?


 雫:だな。


 レイ:宜しく頼む。


 ネネ:おうよ!(これで特盛オッパイ揉み放題だじぇ〜♡)














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