第46話 タイムカプセル

 暇を持て余した若者が退屈そうに友人へと問いかけた。



「なぁなぁ?」



「なに?」



「なんか、大切な物埋めねぇ?」



「なんで?」



「暇だから」



「はぁ?」



「最近の流行りらしいぜ」



「ふーん」



「そんで、何年後かに掘り起こすんだってさ」



「なんだそれ……まぁ、ちょっと面白そうではあるな」



「だろ?」



「それなら、もっと大勢でやろうぜ。みんなが何埋めるか見てみたいし」



「おー、いいね! さっそく、集落の皆にも言ってくるわ」



 若者の声掛けに集落の皆が応え、それぞれの大切な物が集まった。



 人型のオモチャ、器、食器、オモチャの剣、中には、自分自身が埋まる等というふざけた輩まで現れ、多種多様な物が集まった。



「よっしゃー、埋めるぞー!」



 しかし、それから集落の皆にそれらの物が掘り起こされる事は無かった。








 1500年後に「古墳」として掘り起こされるその日まで。

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