第46話 タイムカプセル
暇を持て余した若者が退屈そうに友人へと問いかけた。
「なぁなぁ?」
「なに?」
「なんか、大切な物埋めねぇ?」
「なんで?」
「暇だから」
「はぁ?」
「最近の流行りらしいぜ」
「ふーん」
「そんで、何年後かに掘り起こすんだってさ」
「なんだそれ……まぁ、ちょっと面白そうではあるな」
「だろ?」
「それなら、もっと大勢でやろうぜ。みんなが何埋めるか見てみたいし」
「おー、いいね! さっそく、集落の皆にも言ってくるわ」
若者の声掛けに集落の皆が応え、それぞれの大切な物が集まった。
人型のオモチャ、器、食器、オモチャの剣、中には、自分自身が埋まる等というふざけた輩まで現れ、多種多様な物が集まった。
「よっしゃー、埋めるぞー!」
しかし、それから集落の皆にそれらの物が掘り起こされる事は無かった。
1500年後に「古墳」として掘り起こされるその日まで。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます