第14話 その日暮らし

 今日も夜中から街中を徘徊していた。



 徘徊といっても、ただ歩くだけ。



 あてもなく歩く。



 なんでかって?



 暇だからだ。



 それ以上でも以下でもない。



 ただ単に暇だからだ。



 仕事なんてない。



 むしろ、生まれてこの方働いた事がない。



 グゥー。



 それでも、腹は減るもんだ。



 これは、困った。



 朝陽が昇るのを確認するとオレは、いつもの漁港へと向かった。



 ここに来るといつも思う。



 潮風は嫌いだ。



 身体が冷える。



 続々と大漁旗を引っ提げた漁船が港へと帰ってきた。



 船から降りた漁師達は今日も無職で食いぶちの無いオレに魚を分けてくれた。



 優しい奴らだ。



 やはり魚は好きだ。



 美味い。



 一応、御礼でもしとくか。



「ニャー」


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