第3章 人物紹介&用語解説
■人物紹介
●魔女
・まくら
常にパジャマ姿の『魔法使いの国』からやってきた魔女の少女。
小柄で童顔、ふわふわな柔らかい茶髪を伸ばしている。その見た目や仕草は幼い子供を思わせるが、年齢は十三歳。
話し方や言葉遣い、仕草や表情、その全ては年端もいかない少女を思わせ、事実精神年齢は実年齢より大分低い。
幼少の頃に魔女となり、家族に森へ捨てられた。その頃よりほとんど誰とも関わることなく一人で過ごしてきたため、精神的成長は遅く、また常識や知識が乏しい。そして自身が魔女である事を知らず、そもそも魔女そのものを知らない。
しかし他人との接触が少なかったためその心はとても純真であり、心優しい少女。
森の中で一人で過ごす寂しさから無意識に魔法を使い、夢の中でもう一人の人格であるカルマを形成し、遊ぶ事で気を紛らわしていた。
しかしカルマに強力な自我と生存本能が生まれ、まくらが出会った人々を眠っている間に殺している事を知らずに過ごしてきた。
カノンと出会う事でやっと寂しさを忘れることができた彼女は、カノンを実の姉のように慕っている。
カルマが表に出る際はまくらは眠っていなければならないため、よくカルマによって強制的に眠らされていた。
カルマが何を想い何をしていたのかを知らぬまま過ごし、そしてカルマが消えた今も彼女がそれを知ることはない。
・千鳥 (クイナ)【追加情報】
元々は『まほうつかいの国』出身であり、こちらへと亡命してきた魔女。
家族も立場も自分自身も全て投げ出してこちらの世界に逃げ延びたところを夜子に拾われ偽名を与えられた。
自分を形作っていたもの、取り巻いて今たものを捨ててきた彼女は自分自身と言うものを見失っており、そして今現在も全て偽りしかないと居場所を求めていた。
アリスが友達として心の拠り所を示すことで、少しずつここでの居場所の作り方を見出していく。
アゲハとは姉妹関係だが、確執がある模様。
●魔法使い
・カノン(
手入れを怠っているボサボサな髪で、前髪は乱雑に上げている。スカジャンとジャージを身にまとい、突っ掛けサンダルを履くラフスタイル。
尖ったつり目で常に眼光が鋭く目つきが悪い強面。手には常に木刀を持つ、不良や暴走族を思わせる風体の少女。十九歳。
粗暴で口が悪く短気な性格だが、情に厚く思いやりのある一面を見せる。特にまくらに対する親愛は深い。
深い孤独な人生を味わってきた経験から、友達と呼べるほどの仲になった者は大切にする。友達のためなら命をかけるのも厭わない。
その正体は魔法使いで魔女狩りのC9。しかし任務に失敗し森に逃げ込んだ際まくらに命を救われ、その純真さに荒んだ心を癒されたことで、今度は自分がまくらを守ると誓い、全てを投げ出してまくらをカルマの魔の手から救うためこちらの世界までやってきた。
魔女狩りとしての魔法使いの素養は及第点ギリギリであり凡才。その過激な性格から戦闘は特攻的であり、強化系の魔法を使い接近戦を主とする。
・ロード・ホーリー / ホーリー・ライト・フラワーガーデン
魔女狩りを統べる四人の
ふわりとした長い髪を遊ばせた、見た目は四十歳手前の女性。しかしとても若々しく、更に十ほどは若く見て取れる。
気のいい陽気な性格で、少し子供っぽさを感じさせる一面も。
現在は公の場から姿を眩ましている。
●ワルプルギスの魔女
・カルマ
まくらがその夢の中で作り出したもう一つの人格。故に姿は全く同じ。
おっとりとしたまくらとは対照的に自意識や自己主張が強く、ハキハキとしている。常に人をおちょくるような戯けた話し方で、間延びした猫撫で声で好き放題に喚く。
自身の欲望に忠実で、自分が楽しいと思うこと、欲しいと思うものには糸目をつけない。
まくらが眠りの間くらいは孤独を紛らわしたいと無意識に作り出した人格であるため、まくらは彼女が実在していることを知らず、夢を見るたびに出てきて遊んでくれる人、という認識しかない。
当初はその通り夢の中でまくらと遊んでいるだけであり、それが彼女の楽しみであったが、まくらが誰かと出会い寂しさを薄れさせることで自身の存在意義が薄れていくことを感じ、生きたいという本能的な理由から、まくらに手を差し伸べる人をことごとく殺すようになった。
その本能が強い自我を生み、カルマは内側からまくらを眠らせることで意識を表に出すことができるようになった。邪魔者を殺しているうちに殺人自体に楽しみを覚えるようになっていき、その精神に狂気を生み出していった。
精神的に幼いまくらをベースにしているため、同じく精神構造は幼く、そこから生み出された狂気は非論理的で言動は崩壊している。
眠りと夢の魔法を得意とする魔女。
・アゲハ【追加情報】
陽気で軽快な性格は人懐っこく、他人の懐に入るのが得意。
常にその場で楽しくあることを望み、楽しさを共有できれば誰とでも友達になれる気さくな一面がある。
人当たりがいいため、アリスのような年下の少女には気のいいお姉さんとして映るだろう。
しかし良くも悪くも刹那主義で、常にその場の気持ちを優先する。そのためついさっきまで楽しく友達を名乗っていたとしても、気分や理由次第では瞬く間に敵に転ずる。
しかしそれは友達から敵になってしまうのではなく、友達であっても敵であってもどちらも同じということに過ぎない。
常にその場の感情を優先する、彼女の長所でもあり短所の部分。
魔女としての実力は高く、蝶のような羽を背から生やすことでその実力の一部を露わにした。本人曰くそれは、魔女として次のステージに進んだ姿。強力な再生能力を持つ。
かつてカノンと戦い、彼女を追い詰めた過去を持つ。
千鳥とは姉妹関係。妹を可愛がっているようで酷く見下している。
●その他
・ドルミーレ
アリスの心の奥深くに存在する、アリスの力の根源。そのもの。
その姿はアリスと同じだが、髪を解き黒いノースリーブのドレスワンピースを着たその姿はどこか大人びて見える。
口調や所作は落ち着いていて、気品や威厳を感じさせる。
自身をアリスの中に眠る魔女と名乗るが、詳細は不明。しかし彼女こそが花園 アリスを姫君足らしめているその力そのものである。
アリスが持つ全ての力の源流であり根源。その力の全ては彼女から出るもの。
アリスの記憶と力を切り取り封じたことで生まれた『お姫様』の部分はあくまで過去の切り離しでしかなく、アリスの力の大元は彼女である。
過去の『お姫様』がアリスから切り離されたことで、アリス自身と彼女をつなぐパイプが途切れ、結果として彼女もアリスに干渉ができなくなっていた。
しかし封印も制限も施されているのはあくまで過去の『お姫様』であるため、彼女が本気になればアリス干渉することはできる。パイプを堰き止められていようと、その蓋を強引にこじ開け、『お姫様』を介することで干渉する。
自身に、そしてアリスに過剰な接触を持ったワルプルギスに気分を害し、アリスにその力の一旦を貸すことで表面に現れその強大な力を振るった。その際『真理の
アリスの心の奥底で眠り、アリスと同じ外見を持つが、アリスではない存在。寧ろアリスこそが自分だと言う。
アリスが生まれた時から共にあり、曰く古から存在する魔女。実態は不明。
・謎の声 / 青い光
アリスが心の中に落ちた際、呼び止めた声。アリスに助言し手を差し伸べる。
聞き覚えがあるような、はたまた初めて聞くような。敵意は感じられず、むしろ何故か信頼はできる。
はじめその声は途切れて聞き取りにくかったが、光となってアリスの元に訪れその手を差し伸べ深淵の縁からすくい上げた。
・アリスの母
電話越しのみ登場。
気の抜けるような能天気に見える明るい性格。アリスが高校に入学してからは仕事で長期間家を空けていることが多い。
女手一つで娘を育ててきたためしっかりしているが、自由人でお調子者な一面も。
■用語解説
・『始まりの力』
魔法使いが呼ぶ姫君の力こと。あらゆる魔法、そして全ての起源と言われている。
その力こそがドルミーレである。しかし力の詳細について知る者はごく僅か。
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