第4話 何故結婚するのか(2)

【どうして結婚するのか・佳代の場合】


 佳代、十九歳。短大生になりました。今日はパックをする日なので、お風呂上がりに美白マスクをつけています。十分間つけていないといけないので、テレビでも見て、暇を凌ぐようです。


「何故結婚するのか」テレビから聞こえてきた。暇なので、佳代は考えてみました。


「死んだ時、手続きする人がいないと困るから。あと相続する人がいないとお金が勿体ないから、かな」佳代は、心の中で呟きました。


 と申しますか、佳代にはそんな事を考えている暇が無いようです。短大生になったら、クラスメイトもメイクをしているので、新しい発見が多くて、情報集めに忙しいようです。

 高校は地元だったので、周りはほぼ地元民だったのですが。

 短大は隣の市にあるので、一気に都会です。都会に毎日通学していると、ファッションの刺激も受けるようです。


 佳代の通う短大の男女比は、ほぼ女子が占めていました。その分、合コンも多いようです。

 佳代は時々、合コンに参加する事が増えました。他の女子とは違う凛とした空気に、確立された女子力。佳代が連絡先を聞かれない日はありませんでした。

 そうして、同席した女子への気遣いも忘れない佳代は、同性からの支持率も高いようです。

「何処のコスメ使っているの?」など、周りの女子とのガールズトークも愉しんでいました。


 話を戻します。何故結婚するのか、のテレビの声に佳代は独り言を呟きました。

「ご縁があったら、自然とそうなるんじゃない?」

 十分が経過したので、パックをゆっくりはがします。


                  〇


 頭の中のスクリーンが、幕を閉じた。

 真奈美は又しても「よく解らなかった」と思ったようです。

「結婚というより、男の子とデートしてみたいし、それを友達と話したい」そう思いました。


―デートは男の子と? それとも、水上君と? ナレーションが、響いた。


「うーん、水上君といきなりデートだと緊張しそうだから、他の男の子とデートして、練習してみたい」真奈美はそう云いました。


―正直ね。ナレーションが、優しく響いた。


                  〇

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