きみはその若さゆえ凍みる闇から出られない 『碧色世界』
軋む機械の体
きみは凍る海をゆく鯨
沈むほどに刺す痛み
錆びた血はうまく流れない
黒い塊となってゆくよ
なにもかもが静かな場所で
こわれて眠る
おやすみ
きみはその若さゆえ
凍みる闇から出られない
純だからこそ傷を負う
体じゅう見るに耐えない
海に降る雪の白さも
覆い隠すことができない
つかれて眠る
おやすみ
厚い氷のあいまから
射し込む光を見てごらん
やわらかな手が包み込む
そのまま抱かれてごらん
きみは凍えていたんだよ
孤独に苛まれていて
ゆっくり眠れ
おやすみ
目を開いたら泳ぎ出せ
碧の世界で声をあげて
声は透明な楽の音となり
どこまでも渡ってゆくよ
体も元に戻ってくる
もう自分を責めなくていい
そうして言って
おはよう
おはよう
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