それぞれの胸で輝きだすよ 『想像すること』

浅い浅いぼくの人となりを見て

きみはそのまんま浅いと思うの


誰かの短かい手紙のように

写真に写るルースのように

静かなダムの湖面のように


物語は7割ぐらいを語るのがいい

すべて説明できたらつまらないんだよ

遊べる余地を残しておくんだ

裏に設定があろうとね


手紙は字が判るだけじゃ伝わらない

ルースは実物を見てこその煌めき

ダム湖の底には数多の暮らし


想像だよ

イマジネーション


ふわふわと実にふわふわとした

恋愛ポエムも書きようでドラマ


だけどふわふわでいいと言う

すっかり腑抜けてしまったの

出されたものを食い散らかすの


人生の分岐はひとつだけじゃない

得られるものだってきみ次第だよ

お楽しみを用意するんだ

自分がすり減らないように


誰もがバイブルになれるでもなく

必ず誰かに好かれるでもない

それでもぼくも生きているんだ


補完だよ

コンプリメント


浅い浅いぼくの人となりを見て

きみはそのまんま浅いと思うの


そう言うぼくも思い返すよ

思考停止でいたくないから


判らないことがあったなら

これから埋めていければいいさ


手紙もルースも静かなダム湖も

それぞれの胸で輝きだすよ

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