日々 月や太陽は 目を逸らしてもついてくる 『レミニセンス』

あの歌い手が嫌いになった

きみの声とそっくりだから


歌いあげる声じゃなく

落ち着くアルトが好きだった

ぼくに対するささやきみたいで


ヘッドホンからいつでも聴ける

変わらない声が鬱陶しい


桜みたいに散ってくれ

咲きどきを知る花たちは

腐れることなく美しい


オン・オフできたらいいのにと

ブックレットを投げ捨てた


もう会えないなら会えないで

ぼくは気持ちを整理する

その努力ぐらいはしてみせるけど


日々 月や太陽は

目を逸らしてもついてくる


レミニセンスと言ったっけ

時が経つほどはっきりしてきて

耳を塞いでもリピートされる


こうしてぼくだけ取り残されて

逃げても逃げても引き戻されて


だからあの歌い手は嫌い

ウィスパーボイスに囚われてしまう


きみの声とそっくりだから

ぼくを泣かせる声だから

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