薬は喉許を冷やして 気持ちを穏やかにしてくれる 『ぼくのこと』

おなじことを言うのにはわけがある

ぼくが頑なに囚われている

そこからの救済を求めているから

そう 救済を


でも人に縋りたいわけじゃない

自分の心を昇華したくて

そのために書き出している算段だ

散るようにね


なんの景色も見えやしない

だれが得するのみたいなものを

書き続けるという治療


薬は喉許を冷やして

気持ちを穏やかにしてくれる

ひと文字ひと文字とても効く


ぼくにだけ効く薬は記憶でできている

モニタ越しに見ているきみには

薬でも毒ですらもないだろう

ただの読みもの


くどくど言ってはいるけれど

過去を変えようなんてしてないし

自分を美化正当化してもいない

ぼくそのものさ


なんの音色も聴けやしない

だれが喜ぶのみたいな楽を

紡ぎ続けている生活


飽きられるのは判っているけど

気持ちが落ち着かないんだよ

自分を表現しないとね


なんの景色も見えやしない

なんの音色も聴けやしない

ぼくのこと

ありのままをさ

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