ぼくは溺れてもかまわなかった 『Mermaid in blue』

あたたかく抱かれる

海はまるで胎内

のばした手からきみと溶け合う


天使のはしごが降りる

青い世界の花園で

ステンドグラス揺らめく


シャボン玉のようなあぶくは突然

目の前ではじけて消えてしまった


そのままでよかったんだ

足をくださいなんてこと

少しも望んでいなかったのに


ぼくは溺れてもかまわなかった

遥か水底の楽園


Mermaid in blue

どうしてなの


思い出せなくなって

脳裏には波音ばかり

ガラスの世界にきみはいない


Mermaid in blue

きみじゃなく


打ち上げられてしまうだけ

青に溶け込めないぼくが

ぼくのほうが消えたらよかった


そばにいてくれたきみを

波のはざまに見失う

喜びも微笑みも遠い幻


きみが誰だったのかを

忘れてしまった

今はただ


Mermaid in blue

Mermaid in blue


浜辺でひとり思うだけ

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