取っ散らかった心をどうにかしたい 『白紙』

取っ散らかった心をどうにかしたい

するべきことに手をつけられないまま

日々に上塗りされてゆく


手帳の余白が増してゆく

焦りばかりで手づかずのまま

飛ぶように時間はすぎてゆく


自分が何をするべきか

そんなことは判っているんだ

それができないから途方に暮れる


体がざわついて叫び出しそう

理性でなんとか押し込めるけれど

臓器が攪拌されているよう


見たい景色が増してゆく

直接触れられることはないだろうけど

それでも憧れるのは自由だから


自分に失望することがなく

期待をすることもない

それは生きていると言えることなの


毎日を埋めてゆくため息を

振り払いたいと思っているよ

だけど実行できていたなら

とうにここから抜け出しているよね


とてもいい気分だったのに

その反動であとから落ち込む

自分勝手な不条理さを

どうしたら納得できるの


駆け抜けて駆け抜けて

駆け抜けてきたはずの道は

振り返っても自分がいるだけ

限られた世界のなかにいるだけ


散らかった心を片づけたいよ

収納スペースがないけれど

日々が壊れていくよりはいい


ああ ぼくはまだ

理想の自分にはなれそうにない

そのビジョンでさえも描けないまま

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