第2話 出会い

「おじさんと、おばさんは?」

「僕の家は、共働きだからね」

パピを居間へと案内した。


(昨日買っておいた)和菓子と、(ペットボトルの)お茶を出した。


「あっ、何もしないていいよ」

「そういうわけには」

「結構奇麗なんだね」

「リンダのおかげだよ」

「リンダ?」

僕はだまって。指差す。


「ああ、ルンバね・・・って、君は電化製品に名前を付けてるの?」

「はい」

僕の即答に、パピはあきれていた。


「でも、大樹くん、よく私ってわかったね」

「そりゃあ、わかるよ」

「どうして?」

「受けた恩は忘れるなと、言われてきたからね」

「それだけ?」

「うん」

「本当に?」

パピが覗き込む。


「ごめん。もうひとつある」

「やっぱり。何?」

「頭の触覚」

パピの頭には、黄色い触覚が生えている。


「あっ、忘れてた」

「ところで、パピ」

「何?」

「本来の姿でいいよ。今はいないし・・・」

「ううん。この世界の女の子の格好気にいってるから、これで行くね」

「了解」


パピ・・・

僕がまだ、3歳の頃だったか・・・

家族で、ピクニックに行った。


3歳と言えば、自我が目覚め始める頃・・・

じっとしているのが無理。


僕は遊びに夢中になり、いつしか両親とはぐれた、

そして、歩きまわっていると、お花畑についた。


そこで、パピに助けてもらった。

一緒に遊んでくれたのを覚えている。


やがて両親が来て、僕を抱きしめた。

両親は、パピに何度もお礼を言っていた。


その時は、パピは今の女の子の姿に変身していた。


「説明終わった?大樹くん」

「うん」

パピが急に真剣になる。

本題だな・・・


「でね、大樹くん」

「うん」

「私が来た理由なんだけどね」

「あの時の約束を果たしてほしい・・・だね」

「さすがだね。その通りだよ」

パピは満面の笑みになった。

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