大嫌いだったはずのパールが亡くなった後の主人公の気持ちが、とても丁寧に綴られていて、自分の身につまされるような気分で読んでいきました。どんな関係でも、別れを迎えてしまった後の感情に、心が震えてしまいます。その後に紡がれる、パールと彼女との新しい関係には、また素晴らしいものがありました。
飼い犬のパールのことが好きになれなかった美保。そんなパールの死後、不思議な人と出会って……「嫌い」と言いつつも、お互いに絆で結ばれていた1人と1匹。じんわりと心が温かくなる物語でした。